マスキングテープ
元々は塗装時に周囲を保護するための工業用粘着テープの用途で、英語でmasking(覆い隠す)の意味からこの通称になったマスキングテープ。今では文具としても浸透し、「マステ」の略称で親しまれています。
「貼ってはがせる」「かわいくデコれる」アイテムとして愛用者も増えている装飾用マスキングテープは倉敷市発祥といわれ、倉敷市本社のカモ井加工紙株式会社は、数多くのデザイン、活用方法を提案しファンを魅了し続けています。それまで工業用製品に特化していたマスキングテープの新たな可能性を形にすべくプロジェクトチームが発足し、2008年にはカラフルな文具・装飾用マスキングテープとして20色もの「mt(エムティー)」が誕生。発売されると一躍人気となり、年々バリエーションも拡がっています。
2022年の夏も「mt factory tour vol.11」が7月22日~8月4日までの期間に開催。
この時期に合わせて、昨年開催されたツアーの模様をお届けします。
毎回のツアー開催に合わせ、新たなデザインのラッピングバスが御目見えするのも楽しみのひとつです。この年はくっきりと鮮やかな色が映えるデザインですね。
バスを降りるとスタッフの方々が明るくお出迎え。入場PASSを見せると、会場案内や参加記念のお土産が入ったクリアバックをいただけます。中にはときめくグッズの数々。2021年には、コロナ禍に必須のマスクもありました。これも嬉しい「mt」デザイン。そしてラッキーな方には会場内の縁日で使える、ひもくじ参加券が入っていることも!
帰りの時間の目安となるバス乗車券をもらい、その時間までは自由行動。いよいよ工場内を巡っていきます♪
まずは普段入ることのできない工場内部の見学に、2020年に完成した「第2.5工場」へ向かいます。このシルバーで覆われた工場の中で「mt」が作られているんですって。
貴重な工場内部に潜入!
工場内は撮影禁止。「mtができるまで」の工程をスタッフの方に説明いただきながら、一緒に工場内を巡っていきます。模様が印刷された大きなテープが長い芯にくるくると巻きつけられ、おなじみのサイズにカットされた「mt」がベルトコンベアに乗って出てきます。
「わぁ~!!!」
子どもたちの歓喜の声があがり、「mt」がポトンポトンと流れてくる様子に大人も子どもも釘付けに。小学校で行った工場見学さながらの感動があり、NHKのEテレ番組「2355」「ピタゴラスイッチ」の現場にいるようで、ずっと見ていたくなる夢の空間でした。工場の方のお話も楽しくわかりやすく、幅広い用途の紙の世界にさらに興味を持ちました。
歴代の製品や「mt」作品の数々を展示
ガラス張りの1Fを入ると、「mt」で彩られたヴィンテージカーがお出迎え。
かわいい!
自転車やカートも「mt」をまといポップに仕上がっています。
2Fは史料室
歴史は「ハイトリ紙」の製造から始まりました。岡山弁で「ハエ」を意味する「ハイ」を粘着技術で駆除する、日本初の国産「カモ井の平型ハイトリ紙」を発売。以降アジアや北・南米まで海外にも多く輸出されました。企業年表や歴代の商品を見ながら歴史に思いを馳せ、今ではレトロな販売当時の広告や看板にも魅せられました。
カモ井加工紙のはじまりである年季の入ったハイトリ紙の製造機も1階に綺麗に遺されていました。ここ「第三攪拌工場」は2022年の今年にリニューアルされたばかりだそう。さらに充実した施設のお披露目、楽しみですね。
「どのくらいの数のmtがあるんですか?」
社員の高原さんに伺うと、ファクトリーツアーでは約1,300種類もの「mt」を用意されているそう。そんなにたくさん、すごいです!
「マスクをつけよう」「正しい手の洗い方」「間隔をあけて」など、時勢を反映した「mt」もたくさん。これまでに期間/地域限定で販売されたり、行事やテーマごとに作られた、今では買えない貴重なmtもたくさんのアクリル板に展示されています。「mt」デザインは和食文化、惑星、珈琲器具、お寿司、日本各地の観光地など多岐に渡り、じっくり見ていくと時間を忘れるほど惹きこまれました。
アウトレットはその時何に出会えるかお楽しみです。訪れた時は手帳やノート、傘にトイレットペーパーまで、意外なものも「mt」デザインに変身。ショップでいっぱい買ったのに……ついつい追加してしまいました。
あ~楽しかった!
知れば知るほど奥深いマスキングテープの世界を堪能でき、もっと居たい、また来たいと思える大満足のファクトリーツアーでした。
魅力いっぱいのファクトリーツアー、予約が取れたらぜひ行ってみてください。今年は予約できなくても、時に臨時募集があったり、開催時期は毎年不定期のため、こまめにカモ井加工紙のHP、SNSなどをチェックしておくのがオススメです。
そして2022年は岡山デスティネーションキャンペーンの一環で、観光イベントが豊富。岡山県内各地で「mt」アートが楽しめます。詳しくは特設ページをチェック!
mt KIOSK at 倉敷駅
2022年7月21日~8月4日には「mt×倉敷」イベントの一環として倉敷駅構内でも「mt KIOSK at 倉敷駅」が開催されます。JR倉敷駅構内に特設されたmtショップに「mt KIOSK」限定マスキングテープや大人気の500円ガチャが登場。
ファクトリーツアーで買い足りなかった方はここで新たなお土産が見つかるかも。駅改札内で開催のため、乗車券または入場券が必要です。
mt×牛窓
「日本のエーゲ海」と呼ばれる岡山県南東部の瀬戸内市 牛窓(うしまど)エリアでは、牛窓オリーブ園など、キラキラ輝く夏の瀬戸内海を望む4会場(瀬戸内市立美術館/街角ミュゼ牛窓文化館/牛窓ヨットハーバー/牛窓オリーブ園・赤屋根)で「mt project」を展開。
情緒あふれる港町にmtアートがとっても似合うんです。日にち限定で4つのイベント会場を回る無料の巡回バスも運行されます。
「mt」のバッグを持って倉敷川沿いを歩いていたら、嬉しい出会いもありました。「ファクトリーツアーですか?いかがでしたか?」の声に振り返ると、倉敷市の伊東香織市長! 「倉敷を楽しんでくださいね!」とお声がけくださり、素敵な思い出になりました。ほかにもTV番組のロケが行われていたり、新郎新婦が川辺で写真撮影されていたり。いつ来ても、倉敷は風情があっていいところです♪ 季節ごとに、朝昼夜それぞれの時間ごとに移ろう景色が美しい倉敷を、ぜひ訪れてみてください。