平櫛田中について
そのモデルとなっているのが、井原市が誇る近代木彫の巨匠・平櫛田中(ひらくしでんちゅう)の代表作「鏡獅子」なのです。
明治・大正・昭和という時代をまたぎ、日本の伝統的な木彫技術と西洋の表現技法を融合させた作品を生み出し続けました。
「平櫛田中美術館」に行くことで、さまざまな思想家・芸術家と信頼関係を築き、鍛錬を続けながら独自の技法を磨き上げていった田中の真面目さがうかがい知れます。
平櫛田中美術館について
「平櫛田中美術館」は、彼の作品を保存展示して、永くその偉業をたたえるとともに、郷土文化の向上に役立てるため、1969年に「田中館」として開館。1973年には「田中美術館」となり、1983年には井原市の市制施行30周年を記念して新館が開館しました。そして施設の老朽化のため、井原市の市制施行70周年となる2023年4月に「平櫛田中美術館」としてリニューアルオープンしました。3階建ての建物のほか、屋外の「田中苑」も整備され、散策も楽しめます。
鏡獅子 20年ぶりの里帰り
伝統芸能の殿堂といわれる東京の国立劇場の正面ロビーに設置されていましたが、国立劇場の建て替え工事に伴い井原市へ20年ぶりに戻ってきたのです。息をのむような存在感、今にも舞い始めそうな躍動感をぜひご覧ください。
田中が64歳だった1936年に着手しましたが、戦争の激化などによる中断や、一からの制作しなおしを経て、86歳となった1958年に完成した、まさに生涯かけての大作です。
平櫛田中の人生が学べる常設展示
企画展も随時開催 展示室
こちらの作品「転生」は、「生ぬるいものは鬼も喰わない、喰うには喰ったが、気持ちが悪くさすがの鬼も吐き出してしまう」という平櫛田中が小さい頃、井原でよく聞かされた話を基に作られているそうです。
このように、現代アーティストの個展や、平櫛田中にまつわる企画展が期間限定で度々開催されています。
ミュージアムショップ
田中苑
ベンチも設けられており、展示を見たあとにゆっくりひと息つくのにもちょうどいい場所です。
おわりに
20年ぶりに里帰りしている「鏡獅子」はまさに大作で、その言葉の象徴だと思います。
ぜひ、この機会に井原市「平櫛田中美術館」へ足を運んでみてください。
【平櫛田中美術館】
所在地:岡山県井原市井原町315
TEL:0866-62-8787
開館時間:9:00~17:00(入館は16:30まで)
定休日:月曜日(祝日の場合は翌日)、12月28日~1月4日、展示替え期間
料金:一般500円(団体15名以上400円)、高校生以下、市内在住65歳以上無料
※特別展開催中は入館料が変わります。
※特別展開催中は所蔵品展のみの観覧はできません。
駐車場:あり