岡山の風物詩のひとつとして市民におなじみの「うらじゃ」。岡山県岡山市にて行われる夏祭りの一大イベント、音頭にあわせた勇壮な踊り、それに使用される楽曲……それらすべてが「うらじゃ」です。
毎年夏に岡山市中心部で開かれる「おかやま桃太郎まつり」は、新型コロナウイルスの影響で2年連続の中止に。ですが「うらじゃ」は止まることなく進化し、この秋11月に「うらじゃ」代替イベントの開催が決定。うらじゃの歩み、うらじゃマンホール、うらじゃの今を、踊り連に参加したこともあるライターがご紹介します!
「うらじゃ」とは
「うらじゃ」をきっかけに郷土の歴史や文化に興味を持ってもらい、「まちのために行動を起こせる人」の育成を目指したい。そんな願いも込められた「うらじゃ」は、「共生と融和」をテーマに岡山ならではの文化として市民の間で育まれ、年々大きなムーブメントとなり、意味合いも広がっていきました。
「うらじゃ」世に出る
2001年より、岡山市中心市街地で毎年開催される一大イベント「おかやま桃太郎まつり」の一環として、「うらじゃ」の行事は夏に行われるようになりました。
「うらじゃ」の歩み
踊り子・観客・裏方が一緒になって温羅の魂を天上に還す踊りを踊る「総おどり」から始まった「うらじゃ」のイベントは2021年の今年、27年目を迎えました。市民自らが中心となり、そのほとんどをボランティアスタッフが運営。「うらじゃ」は岡山の地域・文化・歴史に根ざしたストーリー性のある市民参加型の祭りとして、岡山のまちに定着していきました。
近年は岡山市内・県内だけではなく県外からも毎年多くの踊り子が参加し、今では「夏は『うらじゃ』じゃ!」とも言われるように、「うらじゃ」は岡山市を代表する夏の風物詩のひとつとなっています。
「うらじゃ」ひろがる
―――私たちも「うらじゃ」をやってみたい!
「うらじゃ」の様々な活動が、各地で拡がっていきました。そして、チーム一体となって「うらじゃ」を表現する「踊り連」が次々に誕生。地元のこども会、企業内の部活動、こどもから大人までの幅広い世代の連など、年代も参加メンバーも様々です。「おかやま桃太郎まつり」の「うらじゃ」エントリー数も、年々増え続けてきました。
多彩に魅せる「うらじゃ」
「うらじゃ」踊り連の躍動する様子は、地元ケーブルテレビ「oniビジョン」(オニビジョン)でも生中継されています。それぞれの踊り連は踊りも衣装も個性が際立ち、映像で観てもその迫力に圧倒されます。
イベント当日、踊り手たちが鬼の様相をメイクで表現した「温羅化粧」も必見です!まつり当日には来場者も温羅化粧が体験できるブースもあり、踊り手も観客も一緒に温羅メイクをまとって楽しむことができます。
2021年「うらじゃ」秋の代替イベント決定!
新型コロナウイルスの影響で2年連続で中止となった夏の「おかやま桃太郎まつり」。演舞行事「うらじゃ」も大きな披露の場が減ってしまいましたが、「うらじゃ」の熱は冷めることはありませんでした。今年2021年の秋、「うらじゃ」代替イベントの開催が決定。
「うらじゃの火種を絶やすことなく、関係者ひとりひとりの想いを汲み取り、次年度へ継承する為に」テーマを「継承」として「うらじゃのソコヂカラ2021~継承~」と題したイベントを予定しています。11月21日(日)の開催に向け、準備が進んでいます。
【開催日】2021年11月21日(日)
【第一部】開場 11:00~、開演11:45~、総おどり13:20~13:40
【第二部】開場 14:00~、開演14:30~、総おどり16:00~16:20
※情勢等を鑑み中止となる可能性があります。
※少雨決行、降水量により中止
※感染症対策を徹底した上での開催となります。
【演舞披露会場】
旧内山下小学校グラウンド特設ステージ(岡山市北区丸の内1-2-12)
イベントはオンライン生配信でも楽しめます。
【ライブ配信】2021年11月21日(日)11:00~16:20(予定)
⇒YouTubeライブ配信はこちら
これまでの「うらじゃ」関連の映像もあるので、ぜひご覧になってみてください。
市役所筋
♪ 晴れ晴れ大空 吉備の国~うらじゃ うらじゃ う~ら~じゃ~♪ 「うらじゃ」おなじみの音色が聴こえてきそうです。
「うらじゃ」がマンホールに!
「うらじゃマンホール」は2020年に岡山県民を対象に作品が公募され、「小学生」「中高大学生」「大人」部門から3点の作品が選ばれました。受賞作のデザインが施された「うらじゃマンホール」、実際に歩いてご紹介します。
「うらじゃマンホール」小学生の部 受賞作
手書きの味わいある色づかいで、踊っている勇壮な姿と「鬼」の文字にも力強さを感じる作品です。
「うらじゃマンホール」中高大学生の部 受賞作
「うらじゃマンホール」大人の部 受賞作
円の中に「うらじゃ」のたくさんの要素が詰まった、立体的で精巧なデザイン。温羅のやさしい笑顔から、岡山の人たちの温羅への愛が伝わってきますね。
「うらじゃ」の進化はつづく
「うらじゃ」は岡山市民に愛され大きく育ち、県外の方々にも広がりを見せています。文化として岡山市に浸透し、これからも広く深く進化し続けていくのではないでしょうか。
全国各地で様々なイベントが中止を余儀なくされ、思うように活動ができなかったことも多いと思います。来年の夏は、全国のお祭りやイベント、そして、晴れの国おかやまの青空のもと「おかやま桃太郎まつり」が開催され「うらじゃ」を皆で楽しめることを、心から願っています!