倉敷美観地区「語らい座 大原本邸」は歴史×アートの写真映え観光スポット

こんにちは!おか旅ライターの月子です。
岡山県の人気観光地、倉敷美観地区にある「語らい座 大原本邸」は、日本建築や日本庭園の伝統美に、アートが融合した写真映えするスポットとしても注目されています。今回はそんな「語らい座 大原本邸」の魅力をご紹介します。
掲載日:2025年01月20日
  • ライター:月子
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「語らい座 大原本邸」とは?

江戸時代から倉敷で商業や文化に貢献してきた名家・大原家。6代目の孝四郎さんは倉敷紡績(株)(クラボウ)の創始者であり、7代目の孫三郎さんはあの有名な「大原美術館」を創設しました。
大原本邸では母屋などが国の重要文化財に指定されており、指定後も大原家のご当主が実際に生活していたそうです。その住宅を、2018年4月に一般公開したのが「語らい座 大原本邸」です。

「語らい座」のコンセプトと名前の由来

この場所は「大原家を感じてもらいたい」という思いから生まれました。現在の大原家の方々は、「ただ資料を公開するだけの記念館にはしたくない。ここから先の未来を考えるきっかけとなってほしい」と願っています。
また、名前の「語らい座」は英語の「catalyze(触媒の役割を果たす)」に由来し、人々をつなぎ、新たな価値を生む場になることを目指しています。こうした思いを大切に築き上げられたのが、「語らい座 大原本邸」です。

倉敷川のほとり、絶好のロケーション

「語らい座 大原本邸」は倉敷美観地区に位置し、「大原美術館」前を流れる倉敷川を渡ってすぐという絶好のロケーションにあります。目の前の倉敷川では2羽の白鳥が優雅に泳いでいました。それでは早速大原本邸にお邪魔してみましょう。

のれんをくぐって入館

のれんをくぐって入館します。このマークは、人という文字やリレーのバトンをイメージして、アートディレクター・デザイナーの佐藤豪人さんがデザインされ、勝山ののれん作家・加納容子さんが製作されました。

土間 ~ふりそそぐ言葉~

受付を過ぎた先にある斬新な空間に心が奪われました。「ふりそそぐ言葉」と名付けられたこの場所には、大原家の歴代当主が語ったフレーズが降り注ぐかのように吊るされています。歴史的な日本建築の空間が、アートのように演出されたこの場。言葉が土間に落とす影もまた趣があるんですよ。大原家の歴史が紡ぎ出した言葉は、一つ一つが心を揺さぶります。

土間~積みあがる必然~

先ほどの「ふりそそぐ言葉」の中に、「子孫というものは、祖先を訂正するためにある」という印象的な一節がありました。この部屋には、歴代当主や大原家に関わりのある人々の写真があしらわれた照明が、まるで家系図のように連なっています。人と人とのつながりを感じられるオブジェです。
よく見ると指揮者のカラヤンや画家の安井曾太郎など、皆さんもご存知の方もいますのでじっくり見てみてくださいね。

ベヒシュタイン社製のピアノ

こちらは、ベヒシュタイン社製のピアノ。優雅な装飾が施され、鍵盤には象牙が使用されています。また、弦の張り方にも特徴があり、大変貴重なピアノです。
近年、クラウドファンディングで修理が行われ、現在はイベントやコンサートなどでその美しい音色を楽しむことができます。

伝統的街並みの美

土間を抜けると白壁に焼き板、そして蔵が見える石畳の通りとなります。大原本邸の敷地内はまるでタイムスリップをしたかのような雰囲気に包まれています。伝統的な日本建築の美しさに歴史の息吹を感じました。

大原家の年表や貴重な資料が見られる中倉

中倉では大原家の年表や貴重な資料が公開されています。
重要文化財の建物に直接設備を設置することはできないため、展示室の床や壁は元の建物に触れないよう工夫されています。具体的には、床の上に新しい床を設置し、壁も本来の壁から浮かせる形で作られているのです。このような細やかな配慮により、建物の保存と展示空間の両立が実現されています。

中倉2

こちらの石には大原孫三郎さんの事績が刻まれています。中には2つの線と3つの丸など、2と3がモチーフとしてあしらわれているものがいくつかあります。大原家は「二三(にさん)の教え」を大切にしています。
「たとえ1番であったとしても2番3番であると思え」という訓戒であり、決して奢ることなく、常に高みを目指すべきという意味が込められているそうですよ。意味を知ると、より一層理解が深まりますね。

離れ座敷~思索の、間~

ここは「思索の、間」。なんと美しい空間でしょう!広い和室から庭園を眺めることができます。丁寧に手入れされた日本庭園を眺めていると、穏やかな気持ちになり、ずっとここでお庭を見ていたくなります。この美しい場所を公開してくださって、その魅力を堪能できることに感謝の気持ちが湧いてきます。

美しい日本庭園

座敷から望む庭園です。苔や石、松などが織りなす自然の風景は格別です。この庭園を見ながら、お抹茶をいただくこともできますよ。

季節ごとの美しさ

座敷から望む庭園では、四季折々の表情が楽しめます。紅葉の季節には、ひときわ美しい光景が広がるそうです。まさに絶景ですね。また、緑が鮮やかな季節も、異なる魅力があるそうです。(写真提供:語らい座 大原本邸)

ブックカフェ(内中倉)

こちらは、8代目の總一郎さんの蔵書が並ぶブックカフェです。政治や経済から音楽、美術まで、幅広いジャンルの本が揃っており、数々の名著が並んでいます。
音楽を愛した總一郎さんが使っていたスピーカーから、クラシック音楽が流れます。
ブックカフェでは、蔵の中でコーヒーやお菓子を楽しむことができます。また、こちらで注文したものを「思索の、間」に持ち込んでいただくことも可能です。

副館長の藤谷さん

今回お話を伺ったのは、副館長の藤谷 知洋さんです。
藤谷さんからは、大変興味深いお話をたくさんお聞きしました。「外から見ただけでは分からない魅力があります。ぜひ館内に足を踏み入れてみてください。素晴らしい世界が広がっていますよ」と語ってくださいました。

基本情報(営業時間・料金・アクセス)

所在地:岡山県倉敷市中央1-2-1
営業時間:9:00~17:00(最終入館は16:30)
定休日:月曜日(祝日の場合は開館)、年末年始
料金:大人 500円、高校生以下 400円、未就学児は無料
交通アクセス(車):山陽自動車道倉敷ICまたは、瀬戸中央自動車道早島ICから約20分
交通アクセス(公共):JR倉敷駅から徒歩約15分
駐車場:なし

おわりに

いかがでしたでしょうか。
「語らい座 大原本邸」は、倉敷美観地区を象徴するような美しい場所。古き良き伝統と新しいアートが見事に融合した特別な空間です。ぜひ、実際にその魅力を体感してみてくださいね!
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