紅葉時期を迎える旧閑谷学校と池田家/10/20は備前焼と音楽のコラボイベントも!

備前市の山々に囲まれた谷あいにある、我が国初の庶民のための公立学校といわれる「旧閑谷学校」。岡山藩主池田光政公によって創立され、国宝の講堂はじめ、多くの当時の建物が現存している国指定の史跡として多くの方が訪れておる。ここ閑谷学校は紅葉時期のとても美しい景観で人気のスポットでもある。毎年この時期には様々なイベントも同時に開催されておる。岡山戦国武将隊の池田光政公が妻である姫路の千姫の娘・勝姫が、時代は違うが宇喜多家家臣・戸川秀安をお供にご案内してまいろう。
掲載日:2024年10月10日
  • ライター:岡山戦国武将隊
  • 964 ビュー

紅葉と旧閑谷学校

これから紅葉時期を迎える旧閑谷学校。10月下旬頃からカエデや楷の木、モミジが色づきはじめる。11月中旬から下旬にかけて見ごろを迎え、年間通じても一番美しい景色へと変わってゆくんじゃ。夜間にはライトアップも行われ、とても幻想的な雰囲気に包まれ訪れる人を魅了しておる。

池田家と閑谷学校

閑谷学校は備前岡山藩主池田光政が寛文10年(1670)に庶民のために日本で初めて開設した公立学校なんじゃ。儒教の教えに沿い、身分を超えて各地から生徒が集まっておった。孔子廟、創設者池田光政公を祀った閑谷神社、光政公の遺髪などを納めた供養塚など光政ゆかりの史跡でもある。代々岡山藩池田家は閑谷学校を保護した。

池田光政公を祀った閑谷神社

閑谷学校の創始者、池田光政公を祀っておるのが閑谷神社じゃ。 もとは「東御堂」または光政の謚をとって「芳烈祠」と呼ばれておった。 本殿内には御神体として光政の座像が安置されておる。

池田光政公の供養塚・御納所(ごなっしょ)

閑谷学校の受付の東側にある約400本のヤブツバキの植えられた椿山。その椿のトンネルを潜り抜けた一番奥に、創始者である池田光政公の供養塚である御納所がある。ここは池田光政公の髪、髭、爪、歯が納められておるんじゃ。椿山は2月下旬ころから3月のつばきの咲いた時期はとても映えるスポットとなる。

閑谷学校資料館

閑谷学校敷地内奥に、当時の学生たちが寝泊まりしていた学房跡に明治38年に建てられた私立中学閑谷学校の校舎を使った資料館がある。ここは閑谷学校の歴史や当時の様子、池田家との関係など詳しく知ることの出来る施設となっておる。

備前焼と旧閑谷学校

旧閑谷学校の屋根には、地元備前市の特産品として知られる備前焼の瓦が全体で約十万枚使用されておるそうじゃ。 閑谷学校では創建後の元禄14年(170)に備前焼瓦が葺かれたのじゃが、近くに窯を設けてそこで屋根瓦が焼かれておった。その窯跡も残っておる。この備前焼瓦の赤茶けた色(日の当たる具合によっては黄色がかって見えたりもする)で、まわりの緑と相まって落ち着いた雰囲気の景観になっておる。

紅葉時期に合わせて数々のイベントが開催

旧閑谷学校ではこの紅葉時期に合わせて今まで様々なイベントを開催してきた。(写真はコロナ前毎年行われていた薮井佑介さんのコンサート)今後もこれから、見る・体験する・感じる・食べるなど史跡だけではなく、いろいろ楽しめるイベントが開催されていくということじゃ。

備前焼と音楽のコラボ「備前・閑谷 過去から未来への調べ~薮井佑介 たったひとりのオーケストラ~ 」10月20日(日)

このコンサートは国宝の講堂前にて、5次元キーボード奏者・薮井祐介佑さんの音楽と、備前焼作家の赤井夕希子さんのインスタレーション作品との初のコラボレーションコンサートである。備前焼をイメージして新たに書き下ろした楽曲が披露される。薮井佑介さんと赤井夕希子さんをそれぞれご紹介させていただこう。

5次元キーボード奏者・薮井佑介さん

岡山出身の5次元キーボードと中空最先端AR楽器を駆使した1人オーケストラとして世界でも認められる作曲家・パフォーマー。一度薮井殿の演奏を聞いてみてくだされ。皆、ビックリするであろう。今回の楽曲作りのため薮井殿は備前焼の工房を訪ね、土窯を見たり、備前焼に使う粘土のルーツを求め山に登ったりとイメージを膨らませたという。
岡山市生まれ。岡山県内外で多くの備前焼作家の方々が活躍されているなかの1人である赤井夕希子さん。中世の古技法を追及研究し、師匠の平川忠殿の手がける「備前焼の古窯復元プロジェクト」にも関わっておる方じゃ。今回のインストレーション作品は池田家と閑谷学校にも深く関わるものじゃそう。聖廟の床に敷地められた陶板は陰陽2種類のものが2重になっておるのじゃが、今回の作品では、同じように見えるが陰陽2種類のパーツを使用しており、陰陽のコンセプトを作品に詰め込んでいるということじゃ。
今回のコラボでは、薮井殿は赤井さんの作った備前焼の焼成時に割れてしまった陶片を叩いて出た音を音源に使い曲の中に盛り混んでおるそうじゃ。どんな楽曲になるのか楽しみじゃ。

茶会・ぶら閑谷(10月20日)

「閑谷秋の茶会」が開催される。 会場は重要文化財でもある藩主が臨学の際に使用する御成の間である小斎じゃ。屋根はこけら葺きで数寄屋風に作られておる。なかなかの経験になるじゃろう。
そして、「ぶら閑谷」も開催される。 旧閑谷学校や池田家墓所など、池田光政ゆかりの地を説明を聞きながら一緒に巡るものじゃ。閑谷学校と池田家の関係を良く理解できることじゃろう。シニアや親子での参加も大歓迎! *ぶら閑谷は受付終了。茶会はまだ、若干空き枠があるのでお問い合わせください。

秋色づく閑谷へ:ライトアップ(11月2日土曜日~11月10日日曜日)

紅葉時期、今年は11月1日オープニングイベントとして入場無料でシャボン玉のショーと試験点灯を見ることが出きる。 11月2日~11月24日までは「第24回 旧閑谷学校ようこそ秋色づく閑谷へ」と銘打ったイベント期間じゃ。その内ライトアップは2日~10日まで行われる。ライトアップ時は別途入場料が必要となる。 一度は見てみたいものじゃ。

閑谷マルシェ(10月20日、11月17日)

毎月第3日曜日に開催されておるマルシェも行われておる。飲食、ハンドメイドグッズ、アクセサリー、ファッション、メダカすくいなど様々なジャンルのお店が出展される。季節の味覚も楽しみじゃ。

一緒に行きたい池田家墓所

旧閑谷学校の近くに、岡山藩主池田家宗家の墓所がある。和意谷池田家墓所で、国の史跡にも指定されておる。池田光政が、家臣の津田永忠に命じ寛文9年(1669)完成したものじゃ。
ここには池田光政の祖父である姫路藩主池田輝政、父である池田利隆、池田光政などの墓が点在しておる。光政の隣には正室である勝姫も眠っていらっしゃる。麓の駐車場から鳥居をくぐり、ずっと石畳の道を登って行くと和意谷池田家墓所に着く。きれいに整備されている道じゃが、スニーカーなどを履いて行くことをお勧めする。

所在地:岡山県備前市吉永町和意谷60
交通アクセス:JR山陽本線吉永駅から車で約15分

おしまいに

〔勝姫より〕 一年でも一番美しい景観を見せる紅葉を迎える閑谷学校とこの時期毎年行われるイベントをみてまいりました。史跡だけではなく、備前焼や岡山藩池田家のことなど現在にも受け継がれている閑谷学校の様子をイベントなどの体験でも一緒に感じていただきたいと思うております。紅葉に色づく閑谷学校にぜひおいでくだされ。
(1・2・14枚目写真 旧閑谷学校保存会、8・10・12枚目写真 薮井佑介さん、11左写真 赤井夕希子さん提供)

【旧閑谷学校】
所在地:岡山県備前市閑谷784 TEL:0869-67-1436
営業時間:9:00~17:00
休日:12月29日~31日
料金:大人400円、小・中学生100円、65歳以上200円
駐車場:あり(無料)

秋におすすめ 旧閑谷学校×岡山旅行

岡山戦国武将隊公式YouTubeチャンネル
マップを見る

同じテーマの記事

このライターの記事