御城印とは?
お城ファンの間ではそのお城へ行った記念に御城印なるものを購入するというのもすでに定着してきた感もある。
日本全国、主だったお城の多くで御城印が発行されていて、それを登城した記念やお土産に購入される方も多い。この御城印を集めて回るコレクターも最近多いんじゃ。
そしてこの御城印の売上の一部は、そのお城の維持管理にも使われておるんじゃな。
これはとても意義のあることじゃ。
岡山にも御城印を発行している城がたくさんある。【前編】に引き続き、この御城印を集めてまいった様子とそのお城と近隣のお勧めスポットをご紹介しよう。
取材順に前編では高越城、岡山城、津山城、備中松山城をご紹介いたしたが、後編では備中高松城、有漢常山城、周匝茶臼山城、砥石城、そして御城印集めの楽しみ方などを御城印コレクターの方にきいてみた。
5.備中高松城/岡山市
毛利対織田の「境目七城」のひとつとして毛利方としてはとても重要な城じゃったんじゃ。
「浮世をば 今こそ渡れ もののふの名を高松の 苔に残して」
いまからさかのぼること450年ほど前、この句を残して、清水宗治はこの世を去った。あまたの城兵の命と引き換えに…。
備中高松城はそんな名将の守った堅城であり、織田と毛利、そして我が宇喜多の一大決戦場ともなった名城である。
秀吉は、奇策「水攻め」によりこの城を陥落させようとしたんじゃな。
西日本の巨大勢力が激突した場所が、ここ岡山にあることはあまり注目されておらん。
さらに、この「備中高松城の戦い」の裏では、あの日本史を揺るがす大事件「本能寺の変」が起きておったんじゃ!
備中高松城御城印
通年版は城主・清水宗治公と家紋「右三つ巴紋」と辞世の句をあしらったデザイン。
季節版は備中高松城公園内に咲く花がデザインされており、四季折々を楽しめる。現在は宗治蓮をモチーフにした夏版が販売中じやった。
【御城印販売所】
備中高松城址資料館
所在地:岡山市高松558-2
開館時間:9:00~17:00
休館日:12月29日~1月3日
御城印:共に300円
備中高松城址資料館リニューアルオープン
館内には出土品などの文化遺産、ジオラマ等多数展示されており、備中高松城や秀吉の水攻めの様子などを詳しく知ることのできる施設となっておる。
6.有漢常山城/高梁市
鎌倉時代の地頭秋庭氏によって築かれた。秋庭氏はこのあと現在の備中松山城のある場所に新たな城を築き移っておる。城の北側には秋庭氏の居館がある。戦国時代には毛利方の新山氏の城となり、2重堀切、横堀、竪堀、曲輪、土塁など当時の遺構がよく残っている。
高速道路の岡山道有漢ICを降りてずぐのところにある「うかん常山公園」の広い駐車場から徒歩1分、アクセスの良すぎる山城じゃ。
公園内には模擬天守が建てられ展望台となっておるが、ここは城址ではござらん。当時の本丸跡は公園北側に残されており、遊歩道も整備されておる。
有漢常山城
所在地:高梁市有漢町有漢4882-1
有漢常山城御城印
【御城印販売所】
販売場所①:うかん常山公園レストハウス
営業時間:8:30~17:00 休日:水曜日(祝祭日の場合はその翌日)
販売場所②:風ぐるま市場
営業時間:9:00~16:00(4~11月)平日12時閉店
10:00~15:00 (12~3月)平日12時閉店
定休日:火・水曜日
御城印:300円
有漢常山城のすぐ隣・うかん常山公園 石の風ぐるま
広大な芝生広場では、わっぱどもが楽しげに走り回っておったり、家族連れはピクニックとやらを楽しんでおった。
公園内のレストハウスにある先月オープンしたばかりの「Cafe moulin」殿で、ゆったりと食事も楽しめる。芝生広場前のテラス席での食事は最高じゃった。
6月〜10月の日曜日と祝日7:30〜10:00は「モーニングセット」の販売もあるらしい。朝の有漢町の清々しい空気と美味しい朝食を味わいに朝早く訪れるのも良いじゃろう。もちろんランチもあるでな。
【うかん常山公園】
所在地:高梁市有漢町有漢4882-1
TEL:0866-57-3322(公園事務所)
施設案内 :緑の芝生広場4,000平方メートル
駐車場:100台、入場無料
「石の風ぐるま」:風ぐるまの数 :7基、回転羽根の数:18基、台座:みかげ石(大きなもので40t、高さ最大約5m)、羽根:万成石(最大なものは直径2.4m、重さ約2t、作者:門脇おさむ
「城型展望館」:※現在化石の展示はありません
「レストハウス 」:8:30~17:00、水曜定休
「風ぐるま市場」:地元の新鮮な野菜果物の販売
7.周匝茶臼山城/赤磐市
天正7年(1579)、宇喜多直家により攻め滅ぼされるまで存在しておった。
江戸時代は岡山藩池田光政により家老に任じられた片桐池田家が周匝陣屋を構え、明治まで存続した。茶臼山城址にはこの池田家の歴代の立派な墓所も残っておる。
現在城址には模擬天守が建っているので麓から見てもすぐわかる山城。ここ茶臼山城も車で横付けできる数少ない中世の山城なんじゃ。遺構も竪堀、曲輪など、よく残っておる。模擬天守からの眺望もとても良いんじゃ。
所在地:赤磐市周匝15-6
周匝茶臼山城御城印
ここ周匝茶臼山城の御城印は、なんと無人販売されておった。模擬天守裏に茅葺の移築民家があるんじゃが、そこに御城印募金箱が置いてあり、そこに300円を目安に銭を入れて、民家の中にあるケースの中から自分で御城印と袋をとるんじゃ。なかなか面白き販売方法じゃった。
日付記入も、横に置いてあるスタンプをセルフで押すようになっておった。
【御城印販売所】
周匝茶臼山城址休憩所
所在地:赤磐市周匝15-6
開館時間:10:00~17:00
休館日:月曜日
御城印:300円を目安に募金箱へ
8.砥石城/瀬戸内市
我ら宇喜多家にとってはこの砥石城はとても重要な城じゃ。宇喜多直家は享禄2年(1529)ここで誕生しておるんじゃ。
砥石城御城印
【御城印販売所】
備前長船刀剣博物館前、長船ふれあい物産館
所在地:瀬戸内市長船町長船966
TEL:0869-66-7550
営業時間:9:00~17:00
休日:月曜日、12月28日~1月4日、刀剣博物館展示品入れ替え時
御城印:300円
砥石城近くのお勧めスポット 大雄山大賀島寺宇喜多家供養塔
旅する蝶・アサギマダラも飛来する絶景スポット
ホウキにまたがりジャンプ!インスタ映えする撮影場所としても人気のスポットじゃ。
御城印の楽しみ方
御城印集めの楽しみ方を今回ご同行いただいたコレクターの方にも聞いてまいろう。
広島県にいお住まいの女性の方じゃが、彼女は米子城を訪れた時、御城印なるものを初めて目にしたそうじゃ。見た目もカッコよかったし、お値段もお手頃なので1枚購入されたそうじゃ。次に行った月山富田城でも御城印を発見、そしてまた購入。行ったお城で御城印を発見すると必ず購入するうちに御城印がふえてきたそうじゃ。
貯まった御城印をあとから見返してみると、その時の楽しかった旅の思い出も一緒によみがえるそうじゃ。
貯まった御城印は御城印帳に整理
広島のコレクターの彼女もそうじゃが、御城印帳に綺麗に整理されておった。御城印は紙なので旅行中、バックなどに入れると気づいたら御城印が折れ曲がっておった(泣)ってこともあるそうで、かさばるものでもないので1冊持っておくのをお勧めするそうじゃ。
岡山県内では現在3城でオリジナル御城印帳が販売されておる。岡山城、津山城は御城印の販売所で、備中松山城はシャトルバス運行時は城まちステーション(運行のない時は終点のふいご峠駐車場売店)に並んでおるので一度手にしてみるのも良いじゃろう。
いつ出るかわからない!限定版御城印も
前述のコレクターの方もおっしゃっていたのじゃが、お気に入りのお城の限定版が出るのを知るとそれが欲しくなるのでまたそのお城に何度も行きたくなってしまうのが悩みじゃそうじゃ。まっ、そんな時にはまた岡山にお越し下され(笑)
今回集まった岡山県内で手に入る御城印は、8城・12種類じゃった。ずらっと並べてみてもデザインも様々で、眺めてみても数がそろうととてもカッコイイものじゃ。それに御城印の売り上げの一部はそのお城の維持管理に使われるというのも、そのような意義あることに購入者側も一役買えるという、とてもよいことじゃと思うた次第じゃ。
岡山の旅に御城印集めも加えてみられてはいかがじゃろうか。きっと思い出深き旅になることでござろう。