1.岡山最古の古刹「金山寺」(岡山市)
戦国時代には松田氏により改宗を迫られ伽藍は灰燼に帰した。しかし、松田氏を滅ぼした宇喜多直家により天正3年(1575年)に再興され、その時直家が建てた護摩堂が現存しておる。この宇喜多家に庇護された時代に金山寺は一番繁栄したという。
【金山寺】
所在地:岡山県岡山市北区金山481
TEL:086-228-0926
駐車場:あり
宇喜多家ゆかりの跡も
また宇喜多家のお霊屋も金山寺にあったということじゃ。光珍寺にある宇喜多直家の位牌と戦災消失した木像もここ金山寺にあったともいわれておる。このように金山寺は宇喜多家とは関わりの深いお寺である。
金山寺復興事業
そのいちばんのメインのイベントが正月に行われる初詣の護摩祈願である。
初詣護摩祈願は、1月1日~3日と7日の4日間
尚、期間中のお供えは全て金山寺復興基金として積み立てられるので、宇喜多家と池田家ゆかりのお寺の復興にも一役買えるので是非訪れていただきたいと思う。次は金山寺の見どころ、魅力についてご紹介いたそう。
江戸時代の殿様の居所・客殿
無形文化の継承・温座と会陽(金山寺が発祥)
温座とは『温座秘密陀羅尼会』という密教修法で、金山寺では明治以降途絶えていた。理由は定かではないが、江戸時代末に東京の浅草寺に移されて現在でも最重要行事として続いているそうじゃ。金山寺では2年前、ご住職と有志の方々により復活したんじゃ。
そして会陽。西大寺観音院のはだか祭が有名じゃが、ここ金山寺が発祥の地といわれ600年続く伝統行事。岡山県下一番に開催され、来年(2024年)も2月4日に行われる。日本三大奇祭の一つとされ、裸の男たちが温座に依って御祈祷された護符である宝木を巡って争奪戦を繰り広げるお祀りじゃ。
人気のユニークな「招き猫美術館」とコラボ
古今東西の招き猫が約800体展示されており、とてもユニークな珍しい美術館として人気なんじゃ。金山寺との共通拝観割引券もある。金山寺の復興事業にも協力されており、招き猫の御守や御朱印帳などのとっても可愛いグッズの売上げが全て金山寺のために積み立てられておる。
尚、正月の4日間の護摩祈願を受けた方には招き猫美術館の無料招待券が配られるので、こちらにも是非一緒に訪れてみたらよいじゃろう。
【招き猫美術館】
所在地:岡山県岡山市北区金山寺865-1
営業時間 :10:00~17:00(入館は16:30まで)
定休日 :なし
2.一山一寺多院制の伽藍構成が今に残る上寺山餘慶寺(瀬戸内市)
七堂伽藍を誇り繁栄したが12世紀末の源平争乱に巻き込まれ支院や三重塔を焼失。その後時代とともに復興も進み、江戸時代には岡山藩池田家の庇護により最盛期をむかえた。7院13坊を数えたが、現在でもその内6院が残っており、地方ではとても貴重な昔の一山一寺多院制の様子を垣間見ることができるお寺なんじゃ。
貴重な文化財も多く残る餘慶寺
県の重要文化財として三重塔と梵鐘と木造十一面観世音菩薩立像(もくぞうじゅういちめんかんぜおんぼさつりゅうぞう)が指定。さらに、市の重要文化財として、鐘楼と薬師堂が指定されておる。
このように餘慶寺は文化財の宝庫なんじゃ。これらの寺宝は毎年春の桜まつりと秋の寺宝展で公開されておる。
宇喜多家ともゆかりのある寺
そしてあと一つ、明王院脇に立つ石碑がある。これは、宇喜多家の祖先と言われておる児島高徳・和田一族の供養塔なんじゃ。宇喜多家の旗印である「兒」はこの祖先である児島氏から取っているのじゃ。
幻想的な年末年始のライトアップ!
力石と穴太積みの石垣
そして、餘慶寺会館の前には石垣で囲まれた池に弁天社がある。池の中にあるお社の回りを歳の数だけ回るとおかげがあるということじゃ。
実は、ここの石垣は「穴太積み」という戦国時代末期より発展したお城の石垣を積む技法で積まれておるんじゃ。昔から現代までこの技法を守り伝承して来た石工集団により近年施工されたものなんじゃ。鏡石と言われる巨大な石材も見ることができ必見じゃ。
お寺にピアノ!?
【餘慶寺】
所在地:岡山県瀬戸内市邑久町北島1187
参拝時間:8:00~17:00
TEL:086-942-0186
駐車場:あり
おしまいに
四季折々の美しい姿をお参りした我々に見せてくれる両寺院じゃが、より仏様とのつながりを感じられるこの寒い冬の季節、一年の始まりに歴史も感じながら訪れて頂きたい。
共にお参りして仏様とつながった証として御朱印も受付にて頂ける。