岡山「鉄道遺産」探訪。ロマンあふれるスポット14選

レトロな気動車の保存展示。扇形車庫に、ホームや線路の跡。岡山に今ものこる貴重な「鉄道遺産」の痕跡をたどってみませんか?岡山ならではの鉄道ストーリーを感じながら片鉄ロマン街道など、自転車道や遊歩道もめぐれますよ!
掲載日:2023年05月31日
  • ライター:おもとまちこ
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1.【井笠鉄道】井笠鉄道記念館(笠岡市)

1931年から約60年。笠岡から矢掛や井原方面まで、総延長37kmという県下でも有数の私鉄だった井笠鉄道。その井鉄の資料がとにかく揃っている、見応え満点の記念館です。ナローゲージ(軽便)という標準より線路幅の狭い、カワイイ車両たちも保存展示されています。車内の長椅子に座ったり。木のぬくもりさえ貴重です。
なんてカワイイ名前なのでしょう、ドイツ製機関車「コッペル」1号機。年季の入った運転席の臨場感もたまりません。旧新山駅の駅舎がほぼそのまま使用されている展示室では「鬮場(くじば)」!?など見たことのない漢字の駅名に驚いたり。「汽笛」の立て札。シブすぎる井鉄の社旗。小さいながらも価値ある体験ができる鉄道スポットです。

【井笠鉄道記念館】
所在地:笠岡市山口1457-8
開館時間:9:00~17:00
定休日:月曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始
入館料:無料
TEL:0865-65-2706

2.【井笠鉄道】西ノ浜北児童遊園地(笠岡市)

JR笠岡駅からわずか400mという高架下でも、井笠鉄道の客車「ホジ9」の姿を見ることが出来ます。緑と黄色のポップでかわいいツートンカラー。前後には荷台付き。笠岡港ビューの小さな児童公園に、さも遊具かのように佇む狭軌車両。笠岡のレトロな町並みに欠かせない風景です。

所在地:笠岡市笠岡2624-35

3.【井笠鉄道】経ヶ丸グリーンパーク(井原市)

井笠の「井」である井原市にも、もちろん鉄道遺産がのこっています。真っ赤な車体に白い帯。国内の軽便鉄道では最速ともされた気動車「ホジ101」です。共に保存されている「ホハ8」と同じく大型のボギー車(カーブでも曲がりやすい車両)たちは、大量輸送時代の到来を感じさせてくれます。

【経ヶ丸グリーンパーク】
所在地:井原市笹賀町1682-1
開館時間・定休日:施設ごとに設定(詳しくはお問い合わせください)
TEL:0866-67-3511

4.【片上鉄道】柵原ふれあい鉱山公園(美咲町)

旧片上鉄道にふれる旅なら「柵原ふれあい鉱山公園」がおすすめです。キハ、ホハフ、トラなど。なんと10台もの車両が動態保存(運用可能な状態で保存)されています。国登録の有形文化財でもある、とんがり屋根の旧吉ヶ原駅舎。ノスタルジックな待合室や駅長室。かつての片鉄が蘇ったかのような世界にひたれますよ。

【柵原ふれあい鉱山公園】
所在地:美咲町吉ヶ原394-2
開館時間:9:00~17:00
定休日:月曜(祝日の場合は翌日)、年末年始
入館料:柵原鉱山資料館大人520円、こども310円、小学生未満無料 ※他園内無料
TEL:0868-62-7155
※月1回の展示運転は休止中です。

5.【片上鉄道】ゼロ起点(備前市)

備前市の片上駅から美咲町の柵原駅間33.8km。片上港へ鉱石の輸送や、地域の足として活躍した片上鉄道。その遺構「ゼロ起点」(0キロポスト)が車輪とともに、かつての片上駅跡地に移設保存されています。
所在地:備前市西片上1278

6.【片上鉄道】片鉄ロマン街道(備前市~美咲町)

片鉄の廃線跡は、サイクリングロードとして活用されています。レンガの縁の峠清水トンネル。ミントグリーンの木造駅舎。桜景色に吉井川。起伏が少ないのに自然の雄大さは存分に感じられる、走りやすさ抜群のコースです。和気鵜飼谷温泉という至福のご褒美も待っています。

7.【片上鉄道】菊ヶ峠(赤磐市)

吉井川に沿うように、備前市・和気町・赤磐市・美咲町と駆け抜けた片上鉄道。こんなところに?というような山の中にも片鉄遺産を見ることができます。菊ヶ峠ドライブインの向かい。菊ヶ峠神社の脇に佇む、赤✖クリーム色の「キハ311」。ちょっと不思議な峠です。

所在地:赤磐市仁堀東1077(西の屋菊ヶ峠店向かい)

8.【下津井電鉄】下津井駅跡(倉敷市)

下津井港にほど近い旧下津井駅には、旧下津井電鉄の車両やホームが今ものこされています。「しもつい」の駅名看板。「モハ1001」に「モハ103」。1990年まで70年もの歴史を誇った下電の、往時が蘇るようなシチュエーション。たまりませんよ。2023年春には3年ぶりに電車まつりも開催されました。
所在地:倉敷市下津井4-1-6

9.【下津井電鉄】風の道(倉敷市)

鉄柱やホーム跡。児島味野から下津井まで約6.3kmにわたって続く廃線跡は、「風の道」という自転車・歩行者道になっています。町の中から山の上まで。下電ならではの起伏にとんだルートからは、瀬戸大橋や瀬戸内海の眺望も楽しめますよ。ああ今もまだ走っていたら、さぞかし絶景路線だったことでしょう。

10.【下津井電鉄】おさふねサービスエリア(瀬戸内市)

山陽新幹線の高架下に、下電の気動車が3両並んでいます。「クハ6」「ホハフ2」「ホワ10」。蒸気機関車の時代の木造車たち。ナロゲージのかわいらしさが満載ですよ。サービスエリアでは、Nゲージが走る鉄道レストランから新幹線の走行を眺めることも出来ます。

【おさふねサービスエリア】
所在地:瀬戸内市長船町長船1133-1
営業時間:10:00~20:00
定休日:なし
TEL:0869-66-9215

11.【岡山臨港鉄道】岡山臨港本社前(岡山市)

「りんこー」の名で親しまれた岡山臨港鉄道。旧南岡山駅にはディーゼル機関車が大切に飾られています。高いボンネットに、かっこいいエンブレム。臨港色とも呼ばれた水色の車体は、2021年にお色直しもされて色鮮やかです。現存する数少ない車両なんだとか。

所在地:岡山市南区海岸通2-1-16(岡山臨港)

12.【岡山臨港鉄道】臨港グリーンアベニュー(岡山市)

JR大元駅から旧岡南泉田駅までの約2km。廃線跡は遊歩道として今も姿をとどめています。旧新保駅のレンガのホームには、警報機のかたちをしたモニュメントがあって、メガネの機関士さんが隠れていますよ。桜、ツツジ、アジサイなど。四季の花も楽しめる町のオアシスです。

13.【玉野市電気鉄道】すこやかセンター(玉野市)

1度は高松琴平電鉄(香川県)へ売却されましたが、玉野市への里帰りを果たした「モハ103」。モダンな車体や内部が、木造デッキからよく見えますよ。今でも旧広潟駅から旧三井造船所前駅間の廃線跡は、サイクリングロードとしても辿ることができます。2022年は玉野市電廃止から50周年。面影を探してみましょうか。

所在地:玉野市奥玉1-18-5(すこやかセンター)

14.【国鉄】津山まなびの鉄道館(津山市)

私鉄ローカル線だけでなく、国有鉄道だってエモーショナルさたっぷり。旧国鉄津山駅の扇形車庫は、国内に現存する中でも2番目の規模を誇る鉄道遺産です。国鉄色の車両たちのそれぞれの軌跡。それぞれの今。しみじみと感じことが出来ますよ。

【津山まなびの鉄道館】
所在地:津山市大谷
開館時間:9:00~16:00
定休日:月曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始
入館料:一般310円、小中学生100円、幼児無料
TEL:0868-35-3343

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