岡山で活動する武将隊・忍者隊vol.1/作州忍者鶴山隊と津山城

岡山県津山市にある桜と石垣が美しい日本100名城にも選定されている「津山城」。
ここを拠点に活動する「作州忍者鶴山隊」は今年結成5周年を迎えました。地域に根差した地道な活動を続けている作州忍者鶴山隊。そして、その拠点とする津山城の見どころも一緒にご紹介します。
掲載日:2024年05月02日
  • ライター:曲輪衆◎たけ
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津山城を拠点に活動する「作州忍者鶴山隊」

岡山県津山市にある津山城を拠点に活動する作州忍者鶴山隊。現在隊員は70名。
2024年2月22日(忍者の日)で結成5周年を迎えました。作州忍者鶴山隊は津山城址をはじめ地域の歴史文化、さらに忍者に関する学習なども行い、この歴史ある津山城をはじめ作州の魅力を全国に発信するなどの目的で活動しているボランティア団体です。

作州忍者鶴山隊の活動

作州忍者鶴山隊は、毎年津山城で行われ多くの観光客が訪れる「津山城さくらまつり」や「津山城もみじまつり」などのイベントステージに出演しています。また、さくらまつりでは毎年、忍者迷路なるものを津山城本丸に設置し祭りを盛り上げたり、津山城の整備や清掃活動に積極的に参加したり、津山城や忍者の勉強会を開催し顕彰活動もおこなうなど、その他にも地元に密着した活動なども行っています。それぞれを紹介していきましょう。

①津山城内の清掃、整備活動

作州忍者鶴山隊では月1回「津山城を美しく」活動の一環として清掃活動を行っています。
3年前から清掃活動をしている、津山城築城時から歴代の家老邸のあった場所に残る庭園址(元津山国際ホテル北側斜面)は、後世に残すため津山市による整備も決まっています。(写真は津山朝日新聞社提供)
津山城の石段を楽しく登ってもらおうと、その魅力も味わえ、健康づくりにも役立つと津山市観光協会によるプレートの設置にも協力しました。
スタート地点には「おのおのがた、出陣じゃ!」から始まり、ゴール地点には「よう来たな!あっぱれ!あっぱれじゃ!」のことばが。途中にも「たわけ者!休んではならぬ!」や「本丸はすぐ上じゃ!がんばるのじゃぞ!」などの応援の言葉も。中には「上を見ろ!槍が飛んでくる!」などの津山城の防御力の強さを実感できる言葉などもあり、登っていても飽きずに楽しく登ることが出来たと、とても評判でした。
(現在このプレートは撤去されています)

②津山城や忍者の学習会

津山城や忍者に関する勉強会も定期的に行っています。隊員だけではなく一般の方も参加でき、津山城・津山の忍者・津山や作州の歴史などの顕彰や発信なども積極的に行っています。また、2024年5月11日には、津山にて5周年の記念事業として日本の忍者学の第一人者である三重大学の山田雄司教授による講演会も開催され、全国より忍者ファンの方々300名が集まり熱心に先生のお話に耳を傾けていました。

③忍者隊、武将隊との交流

また、作州忍者鶴山隊は近県で活動している他の忍者隊や武将隊とも交流しています。
このため毎年津山城で行われる「津山さくらまつり」や「津山もみじまつり」には、京都で活動する「京都・長岡京おもてなし武将隊つつじ」や本場の伊賀の忍者隊、姫路城で活動する「姫路忍者白鷺」「姫路城甲冑隊」、地元岡山で活動する「備州岡山鉄砲隊」「岡山戦国武将隊」、香川県の「讃岐十河戦国お城祭り甲冑隊」など応援に駆けつけ、作州忍者鶴山隊を中心にステージ演武や観光客のおもてなしなどで、祭りを盛り上げています。

④地域と密着した活動も

2024年は「春の交通安全県民運動」の津山署管内の推進大会に参加。地元の園児たちと交通安全体操をしたり、「津山シェアサイクル・ごんちゃり」に乗って交通安全パレードにも参加するなど、ドライバーに無事故を呼びかける啓発活動を行いました。
このように地域に密着したイベントなどにも関係機関と協力し積極的に参加しています。(左上写真は津山朝日新聞社提供)

日本100名城・石垣と桜の見事な「津山城」

津山城は森忠政が慶長9年(1604)に築城にかかり、13年かけて元和2年(1616)に完成しました。
三の丸・二の丸・本丸には当時の石垣が完存しており、一二三段と呼ばれる三段に重なる高さ約45mの石垣は圧巻です。本丸には古絵図や発掘調査を基に、当時殿さまや姫様の御殿の一部として使われていた備中櫓が木造で復元されています。津山城最高所の天守台から眺めるとかつての城下町や吉井川を眼下に、遠くは中国山地の山々を望むことができます。

津山郷土博物館の津山城模型

津山城は明治になって建物はすべて取り壊されましたが、かつては日本全国有数の櫓や門などの城郭建築物が石垣の上に立ち並んでいました。その様子は津山郷土博物館内に精密な津山城の模型がありますので一度ご覧になることをおすすめします。この模型を見た後、実際に津山城の石段を上りながら石垣の上にかつてそびえていた櫓や門などの建物を心の目で見ながら登ってみると津山城の凄さが実感できると思います。

【津山郷土博物館】
所在地:岡山県津山市山下92
TEL:0868-22-4567
開館時間:9:00~17:00(入館は16:30まで)
休館日:月曜日、祝日の翌日、12月29日~1月3日、その他
入館料:一般300円、高大学生200円、65歳以上200円

津山城使用の石材石切り場跡・石山寺と八畳岩

津山城から吉井川を挟んだ対岸の山の上に森忠政が津山城築城時に城の石垣の石材を調達した石切り場が残っています。石山寺境内と石山寺から少し下ったところの八畳岩にある岩盤には矢穴(石材を切り出す時に岩盤にあける長方形の穴の列)が残っているのが見られます。
八畳岩からは、津山の城や街並みが一望できます。

大名庭園・衆楽園(国指定の名勝)

津山には岡山後楽園と同じく、国指定名勝「旧津山藩別邸庭園」の大名庭園・衆楽園が残っています。
津山藩2代藩主・森長継が明暦年間(1655~1658)に造営した池泉廻遊式のとても貴重な美しい庭園です。春は津山城同様桜が美しく、夏は池いっぱいに広がる睡蓮、秋は紅葉、冬は美しい雪景色と、四季折々の顔を見せてくれます。

春は「津山さくらまつり」

津山城は岡山県でも有数な桜の名所。3月末から4月初旬にかけて 津山さくらまつりが開催されます,桜と石垣のコラボは最高の景色です。毎年、作州忍者鶴山隊による忍者迷路が本丸に設置されて子供たちに大人気となっています。また今年(2024)から本丸に高所作業車が設置され、地上20mから桜を見下ろすことができる空中散歩も大人気でした。
夜は花火大会も行われ、ライトアップされた桜と花火で幻想的で迫力ある世界が広がります。

夏は「ごんごまつり」

津山の夏の風物詩といえば「津山納涼ごんごまつり」。今年で46回目となり、8月3日(土)・4日(日)に行われます。「ごんご」とは津山の方言で「河童」のことで、津山市街地を流れる吉井川の河童伝説にちなんでいます。様々なイメージのカッパの衣装を着た踊り子たちが練踊る「ごんご踊り大会」、河川敷会場などの夜店・ステージショー、フィナーレを飾る花火大会と多くの人出で賑わいます。

秋は「津山城もみじまつり」

春の「津山城と桜」も見事ですが、秋の「紅葉の津山城」もとてもきれいです。
紅葉時期には毎年「津山城もみじまつり」が開催され、春同様多くの人でにぎわいます。
ステージショーも繰り広げられ、夜のライトアップはとても幻想的。石垣にはプロジェクションマッピングも投影され、まるで異次元の世界にいるような感覚に。秋の津山城もおすすめです。

おしまいに

ちなみに、私の「おか旅」記事内でいつもモデルで協力してくれている、ピンクのゆるキャラ忍者「ともちピンク」殿は「作州忍者鶴山隊」のメンバーとして活動しています。
作州忍者鶴山隊が活動する津山城は季節ごとに魅力いっぱいなお城です。
年間通してイベントも行われていて、そこで作州忍者鶴山隊の忍者たちが、皆さまのお越しをお待ちしております。
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