平安時代からある「穴門山神社」は、秘境に佇むパワースポット!

高梁市川上町の山奥深くに鎮座している、古式ゆかしい神社「穴門山神社(あなとやまじんじゃ)」へ行ってきました。
静かな森をドキドキしながら進むと、そこには平安時代からあるという、神秘的な神社と御神窟が!
清流の流れる音、差し込む光の中で、この一年あったことに感謝しながら、たくさんのパワーをいただいてきました。
掲載日:2023年12月08日
  • ライター:佐々木まゆみ
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穴門山神社とは?

穴門山神社は、平安時代前期に編纂された『延喜式神名帳(えんぎしき じんみょうちょう)』にも記載されている、由緒ある神社。この『延喜式神名帳』には、当時の有力な神社が記載され、朝廷の崇敬も篤かったとされています。
創立は社史によると、崇神天皇54年(紀元前44年ごろ)で、驚くほど古い歴史のある神社なのです。
えっ、そんなすごい神社が?と期待しながら、川上町まで出かけていきました。

穴門山神社への行き方

穴門山神社へは、県道77号を通り、高梁市川上町の弥高山を越えて(高梁市市街地方面からの場合)進みます。道沿いの右手に、小さな案内板が見えてきます。
神社は、車道からはまったく見えませんので、この案内板、見逃さないでくださいね。
このあたりは、まだ民家もあり、のどかな雰囲気です。
古い灯籠のある一本道を、200mほど緩やかに登っていきましょう。
しばらく進むと、右手に鳥居が見えてきます。

鳥居が見えてきた!

鳥居の手前までは民家もあり、のどかな里山風景が広がるのですが、鳥居の奥は暗く、緑の森のようです。
鳥居の奥には、なにか別の世界が広がるかのような期待が高まりました。

最初に見える、須佐之男神社

鳥居からすぐの道沿いに、「須佐之男神社(すさのおじんじゃ)という小さな神社がありました。
もう着いたのかな、と思いますが、ここから本殿までは1.4kmほどあります。
道はどんどん狭くなりますので、運転に自信のない方や大きな車の方はここに停めて、参道を歩くことをおすすめします。

ドキドキしながら進みます

道幅はどんどん狭くなり、木もうっそうと生い茂っています。神社への道は下り坂になっていて、まるで神社に吸い込まれていくような気分になります。
参道は軽自動車一台分の幅で、離合場所もあまりありません。
注意しながら進んでくださいね。

 
ガードレールのない場所も多く、うねうねした道が続きます。
鳥居からずいぶん進んだのに、神社はほんとにあるの?と思い、携帯で位置を確かめようとすると、なんと電波が届いていませんでした。
まさに秘境!
光が届きにくく、しっとりした空気が満ちて、植物やきのこたちが生い茂っています。静寂な雰囲気に包まれた参道に少し広い場所があり、(ここが駐車場です)左手に小さな橋が見えてきました。

到着しました!

何やら小さな祠と、その先に門が見えてきました。無事到着です。
手水で手を清めて神社の門をくぐります。
この神社の祭神は、
天照大神(アマテラスオオミカミ)
倉稲魂大神(ウタカミタマノカミ) 
足仲彦命(タラシナカツヒコノミコト) 日本武尊の第2皇子
穴門武姫命(アナトタケヒメノミコト) 吉備武彦の娘で日本武尊の妃の4柱。
ご利益は、五穀豊穣、交通安全、殖産興業、縁結びとのこと。
私は、一年間健康に暮らせたので、その御礼をぜひと思いお参りしました。

立派な随神門!

大きくて立派な門、随神門をくぐり、本殿へとむかいます。
慶応4年(1868年)に再建されたもので、緑の木々のなかで、どっしりと存在感のある門でした。
ここから上を見上げると、高い場所に本殿らしき建物があるようです。
つづら折りに道を上がって行くと、途中から石畳に変わっていきます。
けっこう急で、石が苔ですべりやすいので、注意しながら進みました。

本殿に着きました!

2~3分で本殿に到着。
ここにも門があり、この奥に社殿がみえて来ました。
石灰岩の岩壁がある、山の斜面のような場所にあるんですね。
門の左横に社務所がありますが、人は常駐していないようでした。

美しい拝殿と本殿

門をくぐると、手前左側に社務所、手前に拝殿、奥に本殿が見えてきました。
本殿と拝殿は、江戸時代初期(1632年)に焼失したが、備中藩主池田長常が1637年に再建したと記されています。
どちらも美しく、大きな社殿で、木造の細工や装飾など、とても見ごたえがありますよ。
建築様式は、「権現造」と呼ばれるもので、どちらも、岡山県指定重要文化財になっています。

境内社が4社

小さな境内社が4つありました。
狛犬は2体で、いずれも風雨に耐え、ところどころ破損していますが、それもまた歴史を感じさせます。

神秘的な御神窟へ

そして本殿の奥、なにやら神秘的な場所があり、小さな鍾乳洞が御神窟となっていました。
このあたりは石灰岩ですが、小さな祠の奥に小さな穴があり、そこにはしめなわが張られています。
御神窟の中は奥深く続いているようですが、しめなわが張られた先は、立ち入ってはならない場所。
神々しい雰囲気に圧倒され、手前でしっかりと拝んできました。

渡り廊下でつながれた社殿

これは、御神窟前から、本殿と拝殿をながめた写真です。
社務所と拝殿は渡り廊下でつながり、とても優美な様子でした。古の時代には、多くの人々がこの廊下を渡っただろうと、思いをはせました。

神木の大杉とカツラ

周囲の社叢は、県指定の天然記念物に指定され、美しい緑に覆われています。
神木は、本門そばの石段上の大杉、そして境内の崖下にある樹齢700年のカツラです。
緑と格式高い社殿、石灰岩の岩肌が溶け合った、静謐な空間でした。
1年間の無事を感謝して、帰路につきました。
偶然出会った地元の方に伺うと、来た道をそのまま帰ってくださいね、とのことでした。
もうひとつ道はありますが、整備されておらず、通る方もいないそうです。
ゆっくりと上がり(帰りは上りになります)、鳥居まで帰ったら、気持ちは清々しく、体には力がみなぎるのを感じました。
慌ただしい年末、1年を振り返り、自然豊かな秘境の神社で、ぜひパワーをいただいてくださいね。

【穴門山神社】
所在地:高梁市川上町高山市1035
TEL:0866-48-3700
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