往復400円!たった5分で行ける瀬戸内の離島「前島」の魅力を探る!

 日本のエーゲ海と言われている瀬戸内市牛窓の前島(まえじま)の絶景スポット・「前島のスナメリ」などをご案内し、島旅の楽しさをお伝えします。
 前島は別名「緑島」と呼ばれ、美しい松林などの自然林が繁り、島全体が国立公園に指定されていて、遊歩道やサイクリングコースが整備されています。
 前島では、大坂城再建の際に石垣を切り出した丁場の跡である「大坂城築城残石群」や島の最高地点にある「前島展望台」からの眺望が人気です。また、車やレンタサイクルで島内を巡ったり、シーカヤックツアーを満喫したりと、アクティビティも豊富です。前島を含む牛窓周辺は「日本の夕陽100選」に選ばれており、オレンジ色に染まる瀬戸内の夕景は旅の思い出になること間違いなしです。
 干潮時のみ現れる、黒島・中ノ小島・端ノ小島を繋ぐ砂の道は、「黒島ヴィーナスロード」と呼ばれ、前島からもこれらの絶景を見ることができます。

写真提供:「牛窓のスナメリを見守る会」

更新:2023.8.3
掲載日:2019年06月17日
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前島フェリー

前島フェリーは、牛窓港と前島間を午前6時から午後9時の間に1時間に1~2回運航しています。往復運賃は大人400円・小人200円です。
時刻表・料金は、こちらを確認してください。
牛窓港のフェリー乗り場の道路をはさんだ向かい側に待合所や「瀬戸内きらり館」(瀬戸内市観光協会)があり、パンフレットや地図が置いていますので、待ち時間に最新情報を入手しましょう。車を牛窓港に置いて行かれる方は、道路より海側に無料の駐車場があります。
航行時間は約5分間と短いですが、フェリー上部のデッキから、晴れた日には前島や黒島・牛窓の街並みなど・休日にはヨットやクルーザーなどが美しい海に浮かんでいる様子を見ることができます。

ムーンロードを月に向かって走る前島フェリー「第七からこと」写真提供:原野哲也さん 牛窓側から撮影
前島側のフェリー待合所の中にこの作品が展示されていますので、ぜひご覧ください。

大坂城築城残石群

前島展望台登山口から山道を登ること約1分で写真のような看板が見えたら、大坂城石垣用の石を切り出した「大坂城築城残石群」(第一残石群、A地区)に到着します。
江戸時代初期(1619年~1631年)に徳川家により再建された大坂城の石垣を切り出した丁場の遺跡です。徳川秀忠の命により西国64家の大名が参加して、第1期~第3期まで天下の大普請として徳川家光の代まで行われた大坂城の再築のための城石の切り出しが行われた場所です。
前島には全部でA~Dの4地区の存在が確認されていますが、今後の調査のよってはさらに発見される可能性があります。
残石の刻印の例です。

当時の建築技術の粋を集めた一大工事で、前島においては池田光政(鳥取因幡藩主のちの岡山藩主32万石)・堀尾忠晴(松江藩主32万石)の参加が石に記された刻印により確認されています。現地の説明板には、詳細な解説がありますのでご覧ください。

前島展望台

※展望台は老朽化のため、登ることができません。(2023.8.3追記)
前島展望台登山口から山道を登ること約5分で写真のような木造3階建ての展望台に到着します。
展望台からは、前島周辺の黄島・黒島をはじめとして、犬島(岡山県)、香川県の小豆島・豊島(てしま)、遠くには兵庫県の淡路島などが見え、瀬戸内海国立公園の美しい多島美を満喫することが出来ます。
また、瀬戸内市牛窓は「日本の夕陽100選」に選定されており、ここからの夕陽も美しいそうです。
前島展望台から西方向を見た風景です。前島の西部・牛窓の街並み・黒島・犬島などが見ます。5月は、太陽が西の山並みに沈むので、ここからの夕陽観望・撮影は諦めて、前島の西側の荒崎から見ることにしました。

牛窓研修センター カリヨンハウス

200名収容の宿泊棟、研修棟、大ホールからなるカリヨンハウスを中核施設とし、広大な敷地には天文館・多目的工房・備前焼登り窯などを備え、学習・野外・マリンスポーツ・文化体験など多彩なアクティビィティやプログラムを行うための最適な環境を整備しています。
また、企業研修等の宿泊型セミナ-ハウスとしてご利用いただくとともに地域イベントのサポート施設としての役割も担っています。
日本のエーゲ海に相応しく、建物の屋根には微妙な色の瓦を組み合わせており、上部にはカリヨン(フランス語で鐘)があります。

カリヨンハウスにあるティエラ天文館のおしゃれな外観です。天文館内には65センチ反射望遠鏡や15センチ双眼鏡があり、天体観望ができます。普段出会うことのない星たちの素顔に出会えます。ティエラ天文館での観望会は、カリヨンハウスに宿泊研修されるグループからの要望がある場合に行われるそうです。定例観望会はありません。

荒崎(あらさき)

キャベツ畑などを見ながら、前島西部の荒崎に移動しました。ここでも、前島特産のキャベツ畑を見ることが出来ました。
広大なキャベツ畑と瀬戸内海の絶景風景は普段見ることの無い特別な世界でした。この日も地元の方々が農作業されていました。秋から春にかけて、この風景を見ることができるそうです。
こちらは、広大なかぼちゃ畑で、かぼちゃも前島の特産品です。春から夏にかけて、このような風景を見ることができるそうです。
今回の前島取材で私が一番感動した風景です。黒島・黒島ヴィーナスロード・中ノ小島・端ノ小島・犬島・豊島(てしま、香川県)などが荒崎の丘の上から見えます。
夕陽が沈む時間帯の黒島ヴィーナスロード周辺の空や海の変化は素晴らしいものでした。干潮から潮が満ちている時間帯で、「ホテルリマーニ」の「ヴィーナスロード」アクティビティの参加者と思われる方々がヴィーナスロードを散策される風景を見ることが出来ました。
 

黒島ヴィーナスロードの夕景1

約18秒の4Kタイムラプス動画です。
干潮から潮が満ちている様子が分かります。ヴィーナスロードの近くで漁をされている方々がおられます。
超望遠ズームレンズ(900mm相当)で撮影した犬島の写真です。奥の島は豊島です。思った以上に犬島が見えて、肉眼でもはっきりと煙突が見えました。

黒島ヴィーナスロードの夕景2

前島の荒崎から撮影した4Kビデオです。
※ 1分31秒の映像ですので、WiFi環境でご覧ください。
さすがに「日本の夕陽100選」と思わせる夕景を見ることが出来ました。漁を終えた漁師さんが牛窓港に戻っています。

ホテルリマーニ

前島で車中泊をしながら星月夜を撮影する予定でしたが、事情により牛窓まで戻って「前島と月・星」を撮影することにしました。
この写真は、ホテルリマーニのプールから撮影した前島・月・星を撮影したものです。月齢17.8の明るいお月様の光に負けないで、木星やさそり座の星たちが見えていたのにはびっくりしました。光害が少ない良い宙(そら)でした。
ホテルリマーニの客室にはテラスがあり、牛窓の海の風景を見るには最適です。
この写真は早朝に撮影したもので、漁を終えた漁師さんが牛窓港に戻ってきています。前島・黒島・中ノ小島・端ノ小島などが見える風景も美しかったです。

スナメリ説明会(牛窓カフェにて)

2019年5月26日(日)に、「牛窓のスナメリを見守る会」主催の「スナメリカフェ」が開催されました。
会場はスナメリ説明会(牛窓カフェ)とスナメリ観察会(前島周辺)でした。写真は、スナメリ説明会の中で提供していただいた「謎のスナメリドリンク」です。前島周辺の美しい青い海とスナメリ(桃)を表現しているそうで、楽しく・美味しくいただきました。
牛窓はもちろん瀬戸内海全域のスナメリについて調査研究を10数年にわたり続けている、見守る会の中村清美さんがスナメリガイドを担当され、牛窓カフェでスナメリの基本的なことと瀬戸内海のスナメリについてこれまでに分かっていることをビデオやスライドを使ってお話しいただきました。

スナメリ観察会(前島にて)

牛窓カフェでのスナメリ説明会が終了後には、前島フェリーに乗船し前島に移動して、スナメリ観察会の場所に到着しました。ここは前島と黄島の間の海が見える場所で、道路から崖のような坂道を下ったところです。この日も快晴で、美しい前島の海と風景の中で、双眼鏡や小野塚昌博さんが操縦するドローンでスナメリを探しました。残念ながらこの日は、スナメリを見ることは出来なかったですが、ドキドキ・ワクワクの時間を過ごすことができました。
 一番上のスナメリの写真は、「牛窓のスナメリを見守る会」から提供いただいたものをトリミングして拡大しています。
 スナメリの基本的なことは、こちらをご覧ください。

OHK岡山放送「なんしょん?」なるほどNews「瀬戸内海のスナメリを探せ」

OHK岡山放送「なんしょん?」なるほどNews「瀬戸内海のスナメリを探せ」(2017年7月3日放送分)
「なんしょん?」は、OHK岡山放送の夕方と深夜の人気番組です。そして「なんしょん?」は岡山弁で、「なにしているの?」という意味です。
※ 9分34秒の映像ですので、WiFi環境でご覧ください。

サンビーチ前島

※設備整備の為、現在休場しています。(2023.8.3追記)
サンビーチ前島は、サントリーオールフリーのCMロケ地で、この写真の「オールフリーの木」があります。海に面しているキャンプ場て、海水浴・釣り・バーベキューなどが楽しめます。今回の取材では行けなかった場所の1つです。次回は、行きたい場所です。

シーカヤックツアー

「牛窓のスナメリを見守る会」の小野塚昌博さんが催行されている「牛窓ウォータートレイル」のシーカヤックツアーです。
このアクティビティにも参加できていませんが、今年、行きたいツアーの1つです。牛窓ウォータートレイルHPに美しい写真や映像で、前島の魅力・情報を余すことなく伝えられています。こちらからどうぞ!
写真提供:牛窓ウォータートレイル

「日本のエーゲ海」牛窓・前島シーカヤックツアー(瀬戸内市)【岡山観光WEB】

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