町並みを歩くだけじゃない!庭園を眺めながら過ごす倉敷美観地区

倉敷美観地区には、江戸時代にタイムスリップしたような古い街並みや建物がありますが、お庭も見どころがあります。ライターお気に入りのお庭スポットをご紹介します。

写真は、「語らい座 大原本邸」前の桜・倉敷川・白鳥の風景です。
掲載日:2020年03月31日
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1.語らい座 大原本邸(旧大原家住宅)

 語らい座 大原本邸(旧大原家住宅)は「今でも大原家の鼓動が息づく「生きた国指定重要文化財」」で、大原家の歩み・七代目孫三郎・八代目總一郎など歴代の功績を紹介しています。
 館内には、「土間 ~ふりそそぐ言葉~」・「土間~積みあがる必然~」・「土間~この家で~」・「中倉1~大原家の全仕事~」・「中倉2~10年先の見えた人~」・「内中倉 ~哲学する経営者~」・「ブックカフェ(内中倉)」などの見どころがあります。
 一番奥に、「離れ座敷~思索の、間~」があります。この写真は、「離れ座敷」の入口です。
 七代目孫三郎がお茶を楽しみ、八代目總一郎はレコード鑑賞と代々の当主がくつろいだ離れ座敷から見たお庭です。目の前に広がる日本庭園は孫三郎が自ら作庭に関わったもので、松の古木とたおやかなもみじから零れる光が、庭一面に生えた苔を照らします。
 賑やかな倉敷美観地区にあってここは別世界。喧騒を離れゆったり流れる時間の中で、街歩きの疲れを癒すことができます。
「わしの眼は十年先が見える!」と話した孫三郎が思索を巡らせた「離れ座敷の思索の間」です。
有料ですが、写真のようなお抹茶をいただくこともできます。
東京から来られたお客様は、ゆっくりとお庭を眺めておられました。

「離れ座敷」の映像(長さ3分51秒)

※ 3分51秒の映像ですので、Wi-Fi環境でご覧ください。

2.新渓園

新渓園は、明治26年(1893年)に倉敷紡績の初代社長である大原孝四郎の還暦祝いとして建てられた別邸で、建築当時は「向邸(むかいてい)」と呼ばれていました。大正11年(1922年)に息子で大原美術館の創立者でもある大原孫三郎が倉敷市へ寄付し、大原孝四郎の雅号「新渓」から新渓園と名付けられました。建てられてから100年近く経った平成3年(1991年)、老朽化のため「敬倹堂」は外観を建築当時の趣きそのままに大規模な改修を行いました。本格的な茶室を備えた数寄屋風の建物は、かつてあった游心楼にちなんで「游心亭」と名付けられ、茶会などで一般に利用されています。
お庭には色々な物があり、池にはコイがいて彩りを添えてくれており、行くたびに新たな発見があります。
お庭の中には、何か所も石臼が配されています。これは、大原孫三郎が配したもので、小作人の代表者から「石臼は食べるものを加工する物なので、その上を歩くのは問題でしょう。」との話があったそうで、大原孫三郎は「使わなければ無くなってしまう。残して、役に立つ方がいいでしょう。」と返事をしたそうです。

3.森田酒造

明治43年創業の造り酒屋さんです。玄関先に吊るされた杉玉は、「新酒ができました!」・「ここは造り酒屋です!」とアピールしています。
お店の中に入りますと、歴史の重みや懐かしさを感じます。
酒蔵見学の風景です。笑顔が素敵な杜氏の秋山さんに案内していただきました。
事前に予約をしますと、お酒ができるまでの工程・蔵内・約400年の歴史のあるお庭を案内していただけ、試飲もできます。
※公式サイトの下にある「酒蔵見学はこちら」から、予約ができます。

酒蔵見学の映像(長さ23分35秒)

森田酒造の酒蔵見学時の映像です。杜氏の秋山さんに案内していただきました。
※ 23分35秒の非常に長い映像ですので、Wi-Fi環境でご覧ください。
「古禄の庭」、現存する最後の古禄時代の庭で約400年の歴史を持っています。うっそうとした緑の中に四季の花が咲き、まるで時の流れを忘れさせてしまう静かな空間です。夏盛りには、 真っ青な空を突きぬくように純白の花をつける百日紅(サルスベリ)が見事だそうです。

「古禄の庭」の映像(長さ8分44秒)

「古禄の庭」の映像です。お庭をぐるりと一周しました。
※ 8分44秒の長い映像ですので、Wi-Fi環境でご覧ください。
森田酒造のすぐ隣に、「​平翠軒」(へいすいけん)があり、店内に入るとたくさんの商品が並んでいて、森田酒造のお酒も購入できます。
「平翠軒の商品は、すべて自身の舌と情熱で選んだものである。有名無名問わず、食の職人が丹精込めて作った食べ物を少しでも多くの人に伝えたい。私は、作る人が好きだ。だから、その人のうまいものをおく。」、森田酒造のご主人「森田昭一郎さん」がこんな想いで選ばれた商品です。
平翠軒の2階は「破゛流知庵(ばるちあん)」で、ギャラリーとカフェが併設されており、カフェの窓からは「古禄の庭」が少し見えます。

 

4.楠戸家住宅(はしまや呉服店)

東町の静かな通りに建つ「はしまや呉服店」の創業は明治2年(1869年)。創業者は楠戸徳吉氏で、その名前の「徳吉」から平仮名の「と」を丸で囲ったお店のマークが生まれたそうです。
明治の町屋造の面影をそのまま残す店舗兼住居は、平成8年(1996年)に岡山県で一番早く国の登録文化財に指定されており、歴史の重みを感じさせる建物・店内はお宝です。
※「はしまや呉服店」は、特別なイベント時のみ中に入ることができ、普段は入れませんので、玄関の外からご覧ください。

玄関の右手奥に写真が展示されています。昭和30年〜40年代には、大原総一郎に伴われて、司馬遼太郎、世界的に著名なサルトル、バーナード・リーチなど、国内外の多数の著名人が来訪し、接待をされたそうです。
「はしまや呉服店」の右側の小路を入り、倉敷らしい焼き板の壁・なまこ壁・漆喰の壁を見ながら進むと、「はしまや」と細い月のマークが入った門灯があります。ここが、お庭や「夢空間(サロン)はしまや」への入口です。
右手前がギャラリーで、右奥が「夢空間(サロン)はしまや」で、左側が住居になります。
小さなお庭ですが、金属製のアートな椅子に腰かけて眺めると、明治時代からの生活が偲ばれ、小さな発見があります。
左側の住居の中にも素敵なお庭がありますが、公開されていません。
※苔を踏んだり、お庭の中には入らないでください。

米蔵を改造した「夢空間(サロン)はしまや」の店内はとてもいい雰囲気で、美味しいお料理・スイーツやコーヒーなどの飲み物をいただけます。
2階にも席があり、ここから眺める店内風景はお気に入りです。
店主の楠戸紀子さんは、「夢空間はしまやを通して、時代に合わせて変化させるべきところは変えつつも、古き良きものを大切に守っている倉敷のこと、そこで暮らす私たち家族の思いを知ってもらいたい。六代続く楠戸家の一員として、家を守っていきたいと思っています。」と話します。

5.あぶと 倉敷館天領

倉敷川と白壁通りが交差する前神橋東詰にあるお料理屋さんです。小さな滝があるお庭を見ながらお食事ができます。
お座敷席から見えるお庭の風景です。
ランチタイムにうなぎをいただきました。とても美味しかったです。
お庭の風景です。気さくなオーナーさんが、自らお手入れをされています。
石橋の向こうに、滝があります。夕方にはライトアップされており、滝から流れる水の音は良い雰囲気でした。

「あぶと倉敷館天領」の映像(長さ約2分)

夕方のお庭ライトアップ風景と来客前の時間の店内風景映像です。
※ 約2分の映像ですので、Wi-Fi環境でご覧ください。
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