ねね様ゆかりの城下町!足守の町で美しい景色と武士気分にひたる

豊臣秀吉の奥さん、北政所。ねね様という名で親しまれている彼女の兄が藩主として治めたのが、ここ、備中足守藩でした。城下町の風景が今もなお残り、県の町並み保存地区に指定されています。桜や緑芽吹くこの季節。足守へのんびり遊びに行きましょう。
掲載日:2019年04月05日
  • ライター:  
  • 8605 ビュー

見事な大名庭園「近水園」

旧足守(あしもり)藩主、木下家の庭園「近水園(おみずえん)」は、岡山の後楽園、津山の衆楽園と並ぶ大名庭園。岡山県の指定名勝です。
園内の池泉に浮かぶ鶴島と亀島は、藩主の長寿と繁栄を願って作られたもの。
春は桜、秋は紅葉と季節によって様々な表情を見せる見事な庭園ながら、近所の子どもたちが楽しそうに遊ぶ様子も見られ、開けた印象があります。

白樺派の歌人、「木下利玄」の生家

足守は、数々の文化人を輩出した町。木下利玄もその一人です。
足守藩時代最後の藩主を父にもつ歌人であり、白樺派の中心作家として活躍。明治・大正の文学史に大きな影響を与えました。
荒壁の長屋門風の建物は、藩政期から続く木下家の残務整理のため、大正時代に建てられたものだそう。
入り口右の土蔵の中からは豊臣秀吉、秀次の関白叙任状や、秀吉直筆の古文書など、貴重な資料が発見されて大きな話題となったことも。

これが武士の家…!「旧足守藩侍屋敷」

江戸時代に2万5千石を有した足守藩。その国家老を務めた杉原家の居宅でした。家老屋敷の佇まいが完全に近い形で伝えてられていて、この種の武家屋敷としては県下唯一の貴重なもの。
白壁の長屋門と土壁に囲まれた屋敷。そして母屋の正面には唐破風の屋根を構えた玄関を設け、家老屋敷としての威厳を備えています。

こちらは一の間。殿様など、一番大切なお客様をお通しする格式高い部屋です。
飾られている「鶴雲」の書は、足守藩第11代藩主の直筆なんだとか!

実際の商家をリノベした「備中足守まちなみ館」

江戸時代は陣屋町として侍屋敷が立ち並び、また陣屋に関わる武士たちを相手とした商売が盛んに行われていた、”陣屋町”足守。
古い商家が多数残っており、観光情報センターとして活用されている「備中足守まちなみ館」も、商家をリノベーションした建物です。格子窓、虫籠窓などがかつての雰囲気を再現しています。町歩きのチラシなどもこちらで手に入りますよ。
※写真は2019年の雛めぐり時期に撮影したため、雛人形が展示されています。

圧巻の大きさ!旧足守商家「藤田千年治邸」

江戸時代末に建築された、本瓦葺き入母屋二階造り漆喰塗りという豪壮な造りの建物。当時の商家の姿を伝える貴重な建築物です。
この地で醤油製造業を始めた創始者・藤田千年治を始め、代々の当主がその名を引き継いできたんだとか。中には往時の醤油工場の様子が再現され、足守のかつての商家の様子を伝える展示も行われています。

ランチならここで決まり「洪庵茶屋」

町歩きには美味しいグルメが必要不可欠。地元の食材を使った美味しいランチなら、「洪庵茶屋(こうあんぢゃや)」がおすすめです。
足守プラザの敷地内にあり、立地は抜群。さらに品数豊富でリーズナブルなお昼のセットメニューに驚き!こんなにいろんなおかずに、うどん、旬であれば足守名物のメロンまでいただけて930円なんて…。一品ひとしな、丁寧に作られた優しい味わいに幸せを感じます。他にもガッツリ系の料理、またカフェメニューも充実していますよ。

陶芸や木工、手作り体験の宝庫「足守プラザ」

格子窓にしっくいの壁、瓦屋根の姿で歴史の町に溶け込んだ、陶芸・木工芸などの体験ができる施設です。併設の「米蔵ギャラリー」で展示会が行われていることも。広場にトイレがあるので、歩き疲れた時の休憩所としてもぴったりですよ。

少し歩いて「緒方洪庵誕生地」まで

歴史ある町並みから少し離れますが、こちらにも注目スポットが。
足守が誇る文化人のもう一人、それは蘭学者の緒方洪庵です。「武士になれ」と言う父に背き、蘭方医を目指して足守を出た洪庵。その後、蘭学塾「適塾」を開き、日本の西洋医学普及の基礎を構築。幕末・維新のリーダーを育てた偉業を称え、石碑と像が建てられています。

江戸時代に思いを馳せつつ歴史散歩

江戸時代、大いに賑わった足守の地。自然の移ろいや風情、そして古いものを大切にし、今まで残してきたこの地域ならではの情緒、そして整った空気を感じにぜひ出掛けてみてください。
車を充分に停められる駐車場があり、歴史散歩するのにぴったりな町ですよ。
マップを見る

同じテーマの記事

このライターの記事