備前焼で食事や日本酒飲み比べもできる「ゑびすや荒木旅館」&「備前焼ギャラリー・喫茶 里房」

備前焼の窯元が集まる岡山県備前市伊部。ギャラリー巡りだけでなく、備前焼でお食事を楽しむことができる、江戸時代から続く老舗旅館とカフェに行ってきました!
備前焼は釉薬をかけずに焼いて仕上げるのが特徴で、伊部の土によって独特の焼き上がりになるのが人気の焼き物。その備前焼でいただくお水やお酒は、まろやかで美味しいと言われています。備前焼の器を楽しみながら、美味しい瀬戸内の季節料理を堪能し、日本酒好きにはたまらない、備前焼での飲み比べも楽しめる「ゑびすや荒木旅館」に泊まってきました。次の日には、伊部駅前の備前焼ギャラリー街にある「備前焼ギャラリー・喫茶 里房」でぐい飲みセットを探して、美味しいケーキを備前焼の器でいただいてきました。
掲載日:2023年04月28日
  • ライター:高杉郁子
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「ゑびすや荒木旅館」

備前焼の里、備前市伊部からほど近い、江戸時代からの歴史を感じる老舗旅館、「ゑびすや荒木旅館」に泊まってきました。片上湾がすぐ目の前で、新鮮なお魚料理が人気です。著名人がお忍びで泊まりに来られると聞いて、ワクワクしながらおじゃましてきました。JR西片上駅からも徒歩すぐで、どこか懐かしい昭和の町並みの中にあります。明治天皇、犬養毅、歴史上の歌人や作家、歌手の美空ひばりさんや島倉千代子さんも訪れたというエピソードも伺いながら楽しんできました。

日本文化を感じるおもてなし

旅館の玄関を開けると、端午の節句前でしたので、鎧と兜の飾りが目に飛び込んできました。日本文化や四季を感じる、季節のおもてなしが感じられました。奥の廊下のショーケースには、名高る人間国宝の作家さんの備前焼作品が並んでいます。
備前焼の里・伊部を訪ねて、海外のお客様も多く泊まられるそうで、日本の文化に触れることができる素敵な旅館です。

一人旅のお部屋

今回は一人旅。落ち着いた、縁側のある二間続きのお部屋に案内されました。チェックインは16時からで、お布団もすでに敷いてあり、ゆっくりとくつろげるようになっていました。お茶菓子に羊羹とお茶が用意されていて、さっそく備前焼の湯のみでお茶を頂きました。お水がまろやかになると言われている備前焼、お茶もいつもとは違う感じがしました。明治から昭和の書家であり陶芸家の、北大路魯山人も度々泊まったお部屋だそうです。

調度品も備前焼が楽しめます

お部屋に飾られている調度品ももちろん備前焼で、目の保養になります。ちょうどスズランの咲いている季節で、玄関口に見かけたお庭のスズランがさりげなく飾られていて心も和みました。スズランはガラスの花瓶に合いますが、備前焼にもよく合っていました。お花も長持ちすると言われている備前焼なので、土の器の効果はすごいと思いました。

大部屋も見せてもらいました

3人で泊まられるお客様のお部屋も見せて頂きました。お部屋ごとに調度品も違い、雰囲気も色々でした。

新鮮な瀬戸内の魚介を堪能!!

晩御飯は、お部屋でゆっくり頂けました。漁港が近いので、新鮮な瀬戸内の魚介を、お刺身、焼き物、酢の物、煮物、揚げ物と順番に頂きました。いったい何匹のお魚を頂いたんだろうかと思うほどのバリエーションでした。季節を先取りした「鱧(ハモ)」の酢の物は、日本の四季を感じる逸品でした。新鮮なので、とてもおいしかったです。とろとろの豚の角煮が出てくるころには、お腹がいっぱいになっていました。

デザートは、牡蠣殻の最中

備前市日生の牡蠣は有名で、冬のお食事には牡蠣が出されますが、今シーズンは終わったので残念。そんな私の気持ちにこたえてくださり、デザートに牡蠣殻の最中がフルーツと共に出てきたときは感動でした。添えられたアイスクリームを最中に少し入れて頂きましたが絶品~!しかも、最中の牡蠣殻がリアルで映えていました。デザートまで美味しいと満足度が高まります!!

備前焼で日本酒飲み比べ

日本酒がお好きな方は必見!!残念ながら私はお酒が飲めないので、写真だけですが・・・。
お酒が飲めるお友達によると、徳利に入れてまろやかになり、おちょこの土の違いで、飲み口も変わるそうです。ガラスのグラスで飲んで、備前焼のおちょこで飲むと、さらによくわかるそうです。
お酒を変えて飲み比べて楽しむこともおすすめだそうです。
そして買いたくなるのが、備前焼の徳利とおちょこだそうです。この備前焼の飲み比べセットは、人間国宝だった故 山本陶秀さんのお孫さんにあたる、山本竜一さんが作られたものだそうです。
ルーツを伺うと、さっそく山本さんのギャラリーに明日行ってみたくなりました。体験が買いたいものにつながるのが旅の楽しさですよね。

お風呂にも備前焼!!

お風呂は室内風呂で、陶板の備前焼が壁に貼られていました。湯船につかりながらゆっくりと備前焼を眺められました。

應接室は大正ロマン

お部屋の並びにあるレトロな扉に「應接室」と書かれています。扉を開けると、歴史の扉が開かれたかのような、大正ロマン風の応接セットが置かれていました。ちょっとした会議や、お茶会にも使えそうなお部屋でした。

貴重な電話室

電話室?!そう書かれた扉の向こうを覗いてみたくてたまらない私がいました 笑。
期待通りの電話がそこにありました。明治、大正を時代と共に過ごしてきた、懐かしい電話です。ここは、間違いなくフォトスポットになると思います!この電話を持って写真を撮ると、いい感じの写真が撮れそうです。

大広間

手の込んだ欄間、アンティークな照明、価値のある屏風や調度品がある大広間は、大人数の宴会で使われるそうです。明治18年8月7日には、明治天皇が岡山行幸のおり、南天の間という大広間にて、ご昼食を召し上がられたそうです。

朝食

朝食もお部屋で頂きました。シンプルなお魚の和食で、お味噌汁も美味しかったです。身体にやさしい朝食で朝がスタートすると、体調も整いました。

看板犬のクロちゃん

旅館の中庭で愛嬌を振りまいてくれている看板犬のクロちゃんです。地元新聞紙で、人と人をつなげてくれるワンちゃんとして紹介されたこともあり、会ってみたかったワンちゃんです。ぜひクロちゃんにも会いに立ち寄ってみてください。ランチのみのご予約も可能なのでゆっくりと女子会にもおすすめです。

【ゑびすや荒木旅館】
所在地:岡山県備前市西片上1280
TEL:0869-64-2004
受付時間:9:00~21:00
 

備前焼ギャラリー・喫茶 里房

ゑびすや荒木旅館で体験させて頂いた、日本酒飲み比べの徳利とおちょこを求めて、JR伊部駅からほど近い「備前焼ギャラリー・喫茶 里房」に伺いました。
備前焼の人間国宝だった故 山本陶秀さん、岡山県重要無形文化財の雄一さん、日本工芸会正会員の竜一さんと続く窯元で、焼きあがった作品も並ぶギャラリーショップと併設でカフェがあり、美味しい手作りケーキとお茶を備前焼の器で頂ける数少ないカフェのひとつです。

品揃えと種類が豊富

若手から有名作家約50名のバリエーション豊富な食器や花器などが並んでいて、お値段もお手頃なものが多く、おすすめのギャラリーです。
「備前焼のある豊かな暮らし」をご提案されているだけあり、日常使いがしやすい作品がたくさん並んでいます。記念品などのオリジナル作品の注文にも応じてくださります。

徳利とおちょこ

昨日体験した徳利に似た作品がありました。おちょこは、お好みでいろいろ選べれそうで、何個かまとめて買いたくなりました。土によって色も様々、焼き色も様々で、手に取って触った感触も様々でした。

ビールジョッキも

日本酒が美味しいのは実証済ですが、ビールを備前焼の器で飲むと、泡がきめ細かく、美味しいと言われています。ビール用の備前焼もたくさん並んでいました。

備前焼の器で楽しめるカフェ

JR伊部駅前にある備前焼ギャラリーはたくさんありますが、備前焼の器で楽しめるカフェは案外少なく、お勧めのカフェです。竜一さんの妹さんである絵里子さんが作られるホームメイドのケーキが美味しく、ケーキがのった備前焼のお皿は、絵里子さんが作られたものです。
アイスティーを頂きましたが、備前焼の器は冷たさがキープされていてまろやかで美味しかったです。コーヒーは備前焼の器で頂くと、酸味が減り、角の取れたまろやかさが感じられ美味しいです。
また、備前焼とお花と香りを楽しむデコディフューザーやファブリックデコレーションの資格も持たれていて、レッスンも可能です。別の場所になりますが、陶芸(土ひねり体験)も体験可能です。

【備前焼ギャラリー・喫茶 里房】
所在地:岡山県備前市伊部1530
TEL:0869-64-1187
営業時間:10:00~17:30(喫茶10:00~17:00)
定休日:木曜日(祝日の場合は営業)
駐車場:3台
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