春には桜のトンネルが出現する新庄村のがいせん桜通り。その通りのほぼ真ん中に位置するゲストハウス「本陣 佐藤邸」は、松江藩の松平家が参勤交代の際に宿泊したという場所にあります。
玄関には地元の人が持って来てくれるという花が活けられていました。季節を感じるさりげないお出迎えが素敵です。
入口をくぐるとひんやりと心地いい土間。ここがチェックインを行う宿のレセプションになります。もともとあった家具などを再利用したカウンターは、シンプルで飾らない佇まい。
土間から見た宿の内部。一番手前は共用スペースとして、今後ワークショップなどのイベントの実施も考えているそう。その先は本来の表玄関を上がったところにある間、一番奥が客室です。「本陣 佐藤邸」は畳の間が並ぶ書院造りで、違い棚や天袋、平書院のある床なども備えられています。
佐藤邸には書画がたくさん残されていたとのことで、書や山水画の描かれた屏風や襖など、和の趣を感じる作品が随所に見られます。
中庭に面した座敷は寝室として利用され、到着時から布団が敷かれています。清潔感溢れる寝具は寝心地よさそう。
ざるや籠はアメニティ入れに変身。ちょっとしたアイデアで古いものも素敵に活かされていました。
かつて酒屋を営んでいたという佐藤家。その名残が見える酒甕もインテリアのひとつとして活躍しています。
洗面所はレトロなタイル張り。10年ほど前までは人が住んでいた建物なので、水周りなどの基本的な設備は整っています。
ゲストハウス「本陣 佐藤邸」では、村の辿ってきた歴史や日常に紐づいたプランを準備。宿泊することで滞在者と村の人がダイレクトに繋がっていけるような企画が用意されています。例えば、村内の畑で野菜を収穫し、提供されたレシピで料理したり、地元の飲食店での食事をオプションにできたり。他にも季節に応じたプランやイベントも登場する予定です。
この宿で迎えてくれるのは沖津美邑(おきつ みゆ)さん。同じがいせん桜通りにある宿「新庄宿 須貝邸」の初代女将を務め、2023年春に独立。4年間の女将経験を生かして歴史あるこの建物を活用したゲストハウスの運営にチャレンジしています。「私が実際暮らして感じた新庄村の魅力や、村の人が大切に思っていることを、訪れた人たちに伝えられる場所にしていきたい」と語ってくれました。
所在地:岡山県真庭郡新庄村1166(がいせん桜通り)
問い合わせ先:LINE公式アカウント https://lin.ee/1Ta039F
チェックイン:15:00、チェックアウト:10:00(相談可)
料金:素泊まり1泊1名5,500円~(連泊の場合は4,400円~)
駐車場:2台