笠岡市立カブトガニ博物館はカブトガニと恐竜たちの世界だった

昨年末にテレビでも取り上げられた「カブトガニ」について調査してきました。カブトガニは赤道付近の暖かい海域で多く生息しており、笠岡市は「カブトガニ繁殖地」としては日本の北限、東限に位置します。世界で唯一のカブトガニ博物館やカブトガニの形をしたお菓子など、カブトガニを探しながら笠岡を巡ってみましょう。
掲載日:2024年01月25日
  • ライター:髙田美津子
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カブトガニってなに?

カブトガニは甲殻類ではなく、クモやサソリに近い生き物です。今の形になったのは約2億年前。恐竜がいた時代です!生きているカブトガニや何億年も前の化石を見たら、恐竜の時代にタイムスリップしたような気分になります。
実はカブトガニは絶滅危惧種として指定されています。今回訪れた「笠岡市立カブトガニ博物館」周辺の干潟にはカブトガニが生息していますが、見つけてもそっと見守ってあげましょう。

世界にここだけ!カブトガニ博物館

カブトガニが生息する笠岡市の一部の海域は、国の天然記念物に指定されています。その海域のすぐそばにある笠岡市立カブトガニ博物館は、1990年に開館した世界で唯一のカブトガニをテーマにした博物館です。カブトガニの保護も行っていて、2024年1月現在では成体10匹と孵化した赤ちゃんカブトガニがいます。実は博物館の建物は、カブトガニの形をしています。

スタンプラリーとぬりえ

建物に入ると、受付の近くにスタンプラリーとぬりえの用紙があります。スタンプを探しながら、楽しく見学できるのでおすすめです。土曜日に訪れましたが、お子さんたちが家族と一緒にスタンプラリーを楽しんでいましたよ。

カブトガニの赤ちゃんを放流するイベント

博物館は、カブトガニを保護する場所でもあります。この産卵池は、水路で海と繋がっているため、潮の満ち引きがあります。潮が満ちてくると砂浜に産卵し、すぐ隣の建物では、孵化した赤ちゃんのカブトガニをお世話しています。
7月には、一般募集したお客さんと一緒に赤ちゃんカブトガニを放流する行事が開催されます。県外からも参加可能ですので、公式サイトをチェックしておきましょう。
こちらの飼育展示室は、博物館が開館する前には「カブトガニ保護センター」として使われていた建物です。現在も、実際に飼育している様子をガラス越しに見ることができます。この地域の海の生き物も飼育されていて、笠岡の海を身近に感じられます。

赤ちゃんカブトガニに出会えるかも

この日は、7~8cmほどの小さなカブトガニ(孵化して3年ほどの幼生)も見ることができました。潮の流れがないので、コケがついてしまっているそうです。4~6月頃、運がよければ、赤ちゃんカブトガニにも会えるかも!?

生きているカブトガニ

カブトガニ大水槽です。初めてカブトガニを見ました!2匹いることは、すぐにわかったのですが、あとのカブトガニは砂の中に隠れていて、何匹いるのか見つけられませんでした。学芸員の方は、即答でしたよ。
生きているカブトガニを見ることができる貴重な場所です。カブトガニは50日で孵化し、10数年で成体になります。大きい方はメス(約60cm、3kg)、小さい方はオス(約50cm、1.5kg)です。

①カブトガニシアター

館内中央には80人が座れるシアターがあります。大スクリーンには、恐竜や太古のカブトガニのいた時代を楽しく学べる映像が上映されます。座席にはボタンが設置されていて、出題されるクイズに答える参加型のシアターです。

②カブトガニ百科

画面をタッチしながら、興味のある内容を選択できます。動画も組み込まれています。このカブトガニ百科を読破すれば、あなたもカブトガニマスターになれるかも!?

③専門的で大人も楽しめるパネル展示

人の血液は赤色ですが、カブトガニの血液は体内では乳白色で、酸素と結びつくと水色に近い青色になるそうです。実は、私たちも日頃お世話になっていることをご存知でしたか?予防接種など注射をするときなどに、体内に入るとショック症状を起こしてしまう内毒素を調べる薬に使われています。

④タッチコーナー

左の砂の中には、本物の化石やカブトガニ(レプリカ)が隠れています。まるで発掘調査をしているみたい。中央の大きなアンモナイトはドイツで発見されたジュラ紀の本物の化石です。

⑤クイズコーナー

見学コースの終盤にタッチパネルのカブトガニクイズあります。全問正解目指して頑張ろう!
2階に進んでいきましょう。スロープなので、ベビーカーでもすいすいで嬉しい!

ダイノスロープ

頭上には中生代を代表する恐竜たちが展示されています。恐竜好きのお子さんは大興奮間違いなしです。館内は少し暗いので、集中力が高まります。ナイトミュージアムみたいで楽しい!
実際に夜に明かりを消して、懐中電灯だけで館内をまわるナイトミュージアムを開催したこともあるそうです。

カブトガニを探せ①

展示の中にはカブトガニがいます。頭上パネルのどこかにいますよ!

カブトガニを探せ②

ここにもいました!当時は恐竜たちの足元にいたのかもしれないですね。

カブトガニを探せ③

館内で唯一動き、吼える恐竜、バリオニクスの足元も探してみてください。この恐竜は魚を食べていたことが分かっているので、もしかするとカブトガニも食べられていたかもしれませんね。

ぬりえコーナー

2階にある日の光がたくさん入ってくる部屋では、ぬりえを楽しめます。日替わりで用紙が変わるので、壁にはさまざまな種類の絵が飾られています。建物がカブトガニの形をしているので、この部屋はカブトガニの眼の位置になるそうです。

展望デッキ

ぜひ展望デッキにも立ち寄ってみてください。美しい笠岡の景色に癒されます。運がよければ、イルカの仲間のスナメリが泳いでくることもあるそうです。

お土産におすすめ!オリジナルグッズ

受付にはカブトガニをモチーフにしたお土産が販売されています。マスキングテープや化石なども購入できます。

笠岡市のマンホールカードをゲットしよう

アンケートに答えると、笠岡市のマンホールカードをゲットできます。笠岡市のマンホールカードを配布しているのは、カブトガニ博物館のみ!そしてデザインはカブトガニ!!めちゃくちゃ良い思い出になりますよね。これはもらうしかない!

施設詳細

所在地:岡山県笠岡市横島1946-2
TEL:0865-67-2477
開館時間:9:00~17:00(入館は16:30まで)
休館日:月曜日(月曜日が祝日または振替休日の場合はその翌日)、祝日の翌日、年末年始
※詳細は、公式サイト「休館日」でご確認ください
ベビーカー:OK(貸出2台あり)
オムツ替えスペース:あり

街の中のカブトガニを探そう!①恐竜公園

カブトガニ博物館と同じ敷地には恐竜公園があります。写真の手前の植え込みはカブトガニの形をしています。恐竜公園は、太古のカブトガニと同じ時代の恐竜たちの像が7種類8体あります。学術監修を受けているので大迫力。大人も子どもと一緒になって楽しめます。

街の中のカブトガニを探そう!②笠岡駅

笠岡駅には北木石で作られたカブトガニのオブジェがあります。駅のホームには、カブトガニの剥製も展示されています。

街の中のカブトガニを探そう!③かぶとがにまんじゅう

1793年創業、老舗和洋菓子店の玉利軒では、カブトガニをかたどった「かぶとがにまんじゅう」や「かぶとがに最中」、「かぶとがに煎餅」を販売しています。カブトガニの血液が薄い青色になることから、餡は抹茶のこしあんで作られています。
玉利軒は、「かさおかブランド」に認定されているので、笠岡のお土産にもおすすめです。
写真左:かぶとがにまんじゅう(特大)2,100円(税込)/1つ
写真右:かぶとがにまんじゅう(中)330円(税込)/1つ
かぶとがにまんじゅうは、特大、中、小と3つのサイズがあります。可愛い!
かぶとがにまんじゅう(中)330円(税込)/(小)140円(税込)

玉利軒

所在地:岡山県笠岡市中央町19-4
TEL:0865-62-3584
開館時間:8:30~19:00
定休日:公式サイトをご確認ください
カブトガニで巡る笠岡の街はいかがでしたでしょうか。テーマを決めて旅に出かけるのも楽しいですよね。カブトガニ博物館の近くには、道の駅「笠岡ベイファーム」があります。地元の野菜や果物、鮮魚、お土産などを購入できます。また、春には菜の花とポピー、夏には約100万本のひまわり、秋にはコスモス畑になり、写真映えスポットですので、今回ご紹介した場所とあわせてぜひ訪れてみてください。
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