絶滅危惧種の草花も見られる「重井薬用植物園」へ行ってみた!

倉敷市にある「重井薬用植物園」を知っていますか?
私は今まで知らなかったので、気になり見学へ行ってきました。その時の様子をご紹介!

「重井薬用植物園」は見学料・入園料無料で、1名から見学できます。※見学は事前予約制です。
園内見学の際には人数に関わらず、園長がガイド・解説をしてくれます。見学時間は全体的に見学して約2時間でした。
よく見学におすすめの時期を聞かれるらしいですが、春は綺麗な花が多いけど咲いている期間が短かったり、秋は一度に見える花の種類は一番多いけど地味な花が多めなので、いつの時期がいいというのはないみたいです。
なので、自分が行きたいと思った時に行くのがお勧めです。
掲載日:2023年10月10日
  • ライター:松原宏美
  • 3035 ビュー

重井薬用植物園とは?

「重井薬用植物園」は倉敷市にある「しげい病院」を運営する医療法人創和会の施設の一つです。
名前に薬用と付いていますが、薬草の植物園というわけでなく、園内には岡山県内に自生する樹木や草本類、また昆虫の食餌植物などを多種類植栽しています。
およそ5haの園内では、自生・植栽合わせて約800種の植物を見ることが出来ます。植物だけではなく野鳥や昆虫の楽園にもなっています。

しげい病院内には「倉敷昆虫館」があり、そちらでは身近な種をはじめ、現在ではほとんど見る事の出来なくなった種、ここにしかない貴重な県内産標本など、数多くの種類の昆虫が一望できます。昆虫館は予約なしで入館できるので興味がある方はこちらもぜひ覗いてみてください。

重井薬用植物園への行き方

車で行く場合は、倉敷ICより植物園駐車場まで約5分+徒歩3分ほどです。
駐車場から植物園まで少し距離があるので、わからない場合は公式サイトに地図が載ってるので見てみてください。
横断歩道を渡った後は道なりにまっすぐ進んでいくと、右側に入口があります。

電車で行く場合は、JR倉敷駅よりタクシーで約10分または、レンタサイクル約15分または、徒歩約30分です。
倉敷駅~植物園への適当な公共交通機関はありません。

郊外の水辺などに生える野草「ジュズダマ」

水辺に生育する大型のイネ科植物の一種です。東南アジア原産。郊外の水辺などに生える野草で、草丈1~2mほどになります。実は硬くて光沢があり、私が小学生の頃は、これでアクセサリーを作ったりして遊んでいました。
「懐かしい~!!」「けど最近見ないね」と盛り上がって、なぜ最近は見ないのか尋ねると、最近はジュズダマが生育する水辺が減ったのでジュズダマが減り、若い世代の中には知らない人がかなり増えているようです。ジェネレーションギャップを感じますね!笑

絶滅危惧種の「ミズアオイ」

現在見ごろの植物で、絶滅危惧種の「ミズアオイ」。ミズアオイ科ミズアオイ属の植物です。
綺麗な花が咲いていました。
このミズアオイは、岡山県内で間近に観察可能な自生地は倉敷市加須山の倉敷川河畔のみとなっているそうです。ジャンボタニシやヌートリアに食べられて減っているようです。

秋の七草のひとつ「フジバカマ」

キク科ヒヨドリバナ属の多年生植物。秋の七草のひとつ。
七草と聞くと「食べれるんですか?」聞いてしまいましたが、春とは違うので食べれないようです。
クマバチが蜜を吸いに来ていました。植物だけでなく、昆虫の説明もしてくれます。

多年生の多肉植物「ツメレンゲ」

ベンケイソウ科イワレンゲ属に分類される多年生の多肉植物です。
人工物に好んで根をおろす性質があり、古くは人家の石垣塀や瓦屋根の隙間などから自然に生えていたそうです。
倉敷市の美観地区など古民家の連なる街では、瓦屋根の隙間から花穂を伸ばす本種を見ることが出来るので、美観地区に行った際には屋根にも注目してみてください。

絶滅危惧種「ミシマサイコ」

セリ科の多年草。
近年では乱獲により絶滅危惧種となっているそうです。
ミシマサイコまたはその変種は、薬用植物であり、根が柴胡(さいこ)という生薬として用いられ、日本薬局方に収録されているのだそう。解熱、鎮痛作用があり、大柴胡湯(だいさいことう)、小柴胡湯(しょうさいことう)、柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)などの多くの漢方方剤に配合されています。
岡山県ではここにしかない植物です。

様々な花や昆虫を観察できる「湿原」

園内には約1,400平方メートルの湿原があり、様々な湿性植物が生育しています。
湿原には車いすでも通行可能な木道が整備されており、誰でも花々や昆虫を観察できます。
この日はイトトンボを発見しましたよ!

金田一耕助シリーズ「悪魔の手毬歌」に登場した「サワギキョウ」

キキョウ科ミゾカクシ属の多年草。美しい山野草ですが、全体に毒性の強いアルカロイドを持つ 有毒植物としても知られています。
横溝正史の金田一耕助シリーズ「悪魔の手毬歌」にも登場している植物だそうです。

万葉集でも歌われている「ツユクサ」

ツユクサ科ツユクサ属の一年生植物。日本を含む東アジア原産で、畑の隅や道端で見かけることの多い雑草です。昔からツユクサは日本人に愛されてたため、万葉集でも歌われているほどです。
鮮やかな青色の花は朝に咲き、昼にはしぼむ。1日しか咲かない花です。
説明の時に「今日ダメでも、明日があるさ」みたいな感じで咲きます。という話を聞いてなんだか励まされている様に感じて元気が出ました!
奥に行くと展望デッキや山の植物を見ることが出来ます。

今回はここで見学は終了しました。草花の知らなかった事や、懐かしい植物や昆虫を見られて楽しかったです。子供も大人も楽しめると思うので是非行ってみてください♪
日差しが暑かったので日傘や帽子は持って行った方がいいと思います。

【重井薬用植物園】
所在地:倉敷市浅原20
TEL:086-423ー2396(電話は開園日の9:00~17:00)
E-mail:shigeihg@shigei.or.jp
※見学は事前要予約、電話またはメール
※休園日は公式サイトのカレンダーでご確認ください
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