超小型電気自動車コムスに乗ってニッポンの原風景・上山棚田をガイドと巡る

かつては約8,300枚もの見事な棚田の景観が見られたという、美作市の上山集落。その美しい棚田の景観を、耕作放棄地となってしまった状態から復活させるべく、2007年頃から若い世代による棚田の再生が進んでいます。その取り組みで全国的に注目されている地を、トヨタが提供する愛らしい超小型電気自動車「コムス」に乗って巡る旅に出ました！

「コムス」は地域の生活・農林業・観光をまたぐ要

まずは、今回お世話になるガイドさん、NPO法人英田上山棚田団の梅谷さんにご挨拶。コムスは、トヨタ・モビリティ基金によって上山地域にやってきたもの。今回のツアーのような観光目的の他に、住民の日常生活上の移動手段、農林業の道具としても、幅広く使われているそうです。

太古からの知恵が根付く「大芦池」

乗り慣れない感覚にドキドキしながら、出発！ほどなくして、最初のスポット「大芦池」に到着しました。奈良時代から継承されてきたため池で、底の方まで通じる階段には一段ごとに穴とそれを塞ぐフタが設けてあり、用水路に流れる水の量を調節できるようになっています。せっかくなので少し丘を下り、用水路の先まで見てみることに。

実は個人の持ち物!?上山地域を一望する北浦展望台

続いて、車は2箇所目のポイント、北浦展望台に到着。ここは個人の方の持ち物だそうですが、地域の人同士仲が良いので、ツアーの立ち寄り処として貸していただけているとのこと。展望台に上がると、眼下に上山地域を一望することができます！天から地上を眺めるような感覚にワクワクします。

歴史を感じる演芸場を備えた、人々の信仰と交流の場「上山神社」

展望台から見えた、木立に囲まれた気持ちの良い道を走り抜け、続いてやってきたのは「上山神社」。大芦池を作り、この上山の地を開いた神様が祀られています。古代から地域の方の交流の場でもあったという上山神社。年季の入った文字で刻まれた「上山演芸場」の文字に、長い歴史の中で演芸が営まれてきた情景が目に浮かびます。

棚田再生の努力が垣間見える絶景

上山神社での参拝を終え、ふと左を見ると、そこには見事な棚田の風景が！美しい緑の階段が連なるような様にうっとりと見とれていると、梅谷さんが棚田再生を始める前の様子を話してくれました。かつては約8,300枚もの棚田が広がっていたこの地で、日々再生に励む活動をされていると思うと、本当に頭が下がります。

見事な復活を遂げた美しい棚田景観

さらに美しい棚田を眺められるスポットを求めて移動すると、圧巻の棚田が見えるビューポイントへ到着！
目の前に広がる美しい景色の裏に並々ならぬ努力があったことを改めて噛みしめます。
自然豊かなこの地では、あたりに生える草も元気そのもの。ヨモギの新芽をかじってみると、野草らしい苦味とエネルギッシュな風味が。

絶景を眺めながらひと休み。おしゃれな古民家カフェ「いちょう庵」

棚田の目の前に、古民家を再生したカフェ「いちょう庵」がありました。土曜日〜月曜日のみの営業で、この日はラッキーにも開店日！いろりやひょうたんで作られたライトなど、古き良き日本らしさを残しながらも、モダンでオシャレな雰囲気です。夫婦でこの地に移り住んだという店主の福尾さんご夫妻の笑顔に癒されながら、自家製の梅ジュースで体を潤します。

天然のフォトスタジオで、棚田を背景に記念撮影！

目の前はなんとも見事な棚田と青空のコントラスト。白くたなびく雲と、キュートなオレンジ色のフォトジェニックなミニカー・コムスが合わされば、そこはもう天然の絶景フォトスタジオ。思わず満面の笑みでシャッターを切ってしまいます。都会では味わうことのできない素晴らしい景色とおいしい空気に、身も心も洗われます！

瞼に残る棚田の原風景と、色鮮やかな思い出を胸に帰路へ

上山地域を巡るコムスドライブもいよいよ終盤。わずか2時間ほどでコムスの運転もすっかり上達し、バックでの駐車もお手の物です！
新しく地域に移り住んだ若い世代と、元々この地に住んでいた方との良好な心温まる関係が見て取れ、こちらまでホッコリした気分になった棚田巡りドライブの旅。都会で疲れた心を癒し、ニッポンの原風景ともいえる棚田と地域の人々の優しさに包まれる旅に、ぜひ出かけてみませんか？